テレビなどで大韓航空の副社長(当時)のニューヨークでの事件を「ナッツリターン」と表現しているようなのだが、この妙な造語、いったい誰が作ったのだろう。
英語メディアでは nut rage とか、nut-rageous(いずれもナッツで激怒…後者はoutrageousと音が似ているからだと思われる)といった表現を、よく使っているようだ。またnutには「おかしいやつ」の意味もあるので、これは好都合なのだろう。だが後者からハイフンを抜いて nutrageous にした場合、市販チョコレートバーの商品名らしいので、あまり大きく使うわけにもいかないかと思うし、nut rage のほうが無難と思う。
日本のメディアが言う「ナッツリターン」だと、おそらく「ナッツ返却」の意味になるのではないだろうか。検索したところ、航空用語でランプリターン(おそらくタラップを意味する ramp かと思う)というものがあるため、それをもじったのではとの話もあるようだが、もしそういうカタカナ用語が実際にあるのだとしても、それ自体も日本語的な英単語であろうと想像する。リターンを「人が飛行機をもどさせる」意味に使うのであれば、それは少なくとも英語ではないと思う。
韓国語がまったく読めないので、韓国語のサイトに当たれないのがつらいところだが、なぜたった1週間かその程度で、この妙な単語が日本で定着しつつあるのかは、ちょっと気になるところだ。