わたしが本格的に業務用バターなど製菓用品を買うようになったのが、12年くらい前ではないかと思う。それ以前からほそぼそとならば買っていたが、菓子作り、パン作りに目覚めてしまい、たしか2004年にはすでに製菓学校の通信教育に申し込んでいた。その前後から、練習を兼ねてかなりの製菓材料を買い込むようになった。
それからの年数で考えてさえ、このバター不足は「いったい何度目」だろうと思う騒ぎである。農水省も、バターの輸入に関してこの騒ぎのたびに有名になっている例の外郭団体についても、代わり映えしない話が聞こえてくるばかり。根本的な問題については、何か手を打っているのだろうか。
酪農は従事者の後継者不足の不安ほか、体力面でもかなりつらく、しかも飼料代や牛舎の温度管理といった支出が重くのしかかることもあって、現在の日本では廃業する人が多い産業のひとつとなっている。そのあたりを、どう考えているのか。
足らないから輸入しますという話しか、聞こえてこない。国内の酪農家を支える計画、そして生乳を買い取ってバターなど乳製品を作る企業にはバターを優先的に作るように依頼する「事前の」予測システムが必要だ。
この数年の政府対応を見ていると「輸入します → それでも足りないので乳業各社にはバターを優先して作ってもらうように依頼します → もっと輸入します、うちらがんばってるでしょ → とりあえずクリスマスのシーズンが終わったから様子見〜♪ → あれっ、もしかして今年も足らないっ?」という流れにしか、見えないのだが。
本気をだして日本の酪農や乳業を支えようという気持ちは、少なくともわたしには伝わってこない。