お値打ち品、いいお値段、けっこうなお値段などについて、考えていた。それぞれ英語にするとどうなるだろうと思ったが、どうもこれらは「日本語の中であっても」使う人の意味合いが統一されていないのかもしれない。
お値打ち品 → おそらく、値段は手頃なのに、よい品だった場合に使うのが多いだろうか。
いいお値段 → 背に腹は代えられないから仕方なく払うかもしれないが、あまり納得したくない値段
けっこうなお値段 → 出せないことはないが、できれば出したくないような「びみょ〜に(不当に)高め」の価格設定
以前、英語の best price について考えたことがある。これは「お値打ち品」に近いのかもしれない。売り手も買い手も、たがいに損をした気がせず、そこそこ妥当かと思われる額。後悔しそうにない気持ち(主観)が、それを best たらしめているのだ。だから、ものが実際に高いのか安いのかではなく、鉛筆1箱であっても、家1軒であっても、たがいに「決まった!」と、取引できれば、それが best なのだと、思う。
では、good price は、どうだろう。英語では good の比較級が better で、最上級が best であるから、お値打ち品に何か関係があるのかと思うと、ちょっとだけ違う。どうもこれ、どちらか側(売り手か買い手か)の側が「この価格でよかった」と思える例文についていることが多い。売り手が「やった、8000円で売れるかと思ったら9000円で売れた」としたら、売り手にとっては good price であり、買い手にとっては「他の人と競っているうちに、9000円につり上がってしまった」という、悲しみの額かもしれない。
わたしも両者を完全に理解しているわけではないが、
○ お値打ち品に近いのが best price
○ どちらかの側にとってうれしかった価格(最高値、最低値)で売れた/買えたのが、good price
…ということなんだろうと、思う。
というわけで、状況によっては good price で「いいお値段」という場合もあるかもしれないし、そうではないかもしれない。
それにしても、ちょっと皮肉っぽく「けっこうなお値段」というニュアンスで、うまい英語が出てこないものかどうか、さっきからちょっと考えているのだが、またのちほどまでの宿題としておこう。