ときどき思い出す短編がある。詳細は忘れたし、下に書く内容もたぶん少しは違っていると思うが、もしどなたかご存知の方がいらっしゃればと思い、書いておくことにした。なおこのブログは30日するとコメント欄が閉じてしまうので、その後にこちらの記事を発見されてコメントを残したいと思ってくださる方には、申し訳ない。
こんな感じの話。
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時代はおそらく19世紀くらいだろう。ヨーロッパの上流階級の夫婦が何組か、地中海の国(ギリシャとかイタリアとか、あのあたり)を旅している。1ヶ所に数日の滞在で、移動している。
主人公はそのうち一組の夫婦の、奥方のほうだ。せっかく名産地に来たのだからと、きちんとした食器セットを注文して帰ろうと思っているが、夫は俗物で、そんなものに興味はない。途中で奥方のほうは「この店なら、ゆっくり見て回ればいいものがありそうだ」と目星を付けたものの、俗物の夫は周囲の人々とともに旅の先を急ぐ。奥方は腹を立てているが、あの時代のことなので、態度にはださない。
駆け足でたどり着いた目的地近くの、どこかたいしたことのない店で、目利きでもなんでもない夫は「ほら、こんなもんがお得でいいだろう」と、適当なものを奥方に勧める。奥方は(本文の表現は忘れたが現代風に言うなら)ふん、得でもなんでもないものを買って損してざまーみろな気分だと、心の中で思う。
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探せばすぐわかるのだからと、そう思いこんで、一度もまじめに検索したことがなかった。おそらく古い翻訳小説で、雰囲気としてはモーパッサンなど「短編をいくつかつなげて1冊にしても売れる作家」の作品だったのではないかと思う。
これを書く前に、モーパッサンの短編がいくつかるかを調べて、頭がくらくらした。英訳された短編はすでに著作権が切れていてプロジェクト・グーテンベルクになっているので(日本風に言うなら青空文庫)、ある程度の量を思いつく英単語で検索したが、片っ端から読まないとわけがわからない。もちろん読むつもりはない。
仕方ないので、ブログに書いて、Facebookからリンクしておくことにした。どなたか読書好きな方が、何か思いついたら教えてくださるかもしれないと期待して。
===== 数分後、追伸 =====
舞台設定は間違えていないと思うが、もしや日本の作家が海外の雰囲気だけそのままに日本語で書いた小説という可能性もある。それだったらもうお手上げで、まったくもって探しようがない(苦笑)。