何か特別に用事があったわけではないのだが、この数週間ほど「時間があったらひさしぶりに荻窪に行きたい」と言いつづけていたこともあり、午後のわずかな時間に出かけてみることに。
まずは普通にルミネ(もちろん食品に関係がある地下1階と1階)を見て、内部でもつながっている隣のビル「タウンセブン」の食品売り場を見た。タウンセブンはおもしろい作りになっていて、地下は食品売り場、1階は日用品、2階はファッション…そしてフロアの一部が西友。さらに3〜5階はすべて西友。タウンセブンは西友部分を飛ばして6階と7階に店舗を持ち、8階に何か屋上設備があるらしい。もちろん客の側はどこがタウンセブンでどこが西友だろうとビル内を普通に移動できるのだが、いちおう西友は別の店という扱いのようだ。
タウンセブンの6階には大きな書店や文房具の店もあり、なかなか人がはいっていた。文房具屋で少し買い物をした。
荻窪は、なかなかいい場所だと思う。ルミネはどれほどこぢんまりしていようと「わたしたちはルミネ」とばかりに、精力的に都心と同じようなブランドを呼んできている。そこがちょっと阿佐ヶ谷の駅ビルとは異なる。阿佐ヶ谷はタリーズは呼んでもユーハイムは呼んでこないし、ダロワイヨなんてどちらさんですかの世界——ちょっと地味で身の丈がわかっているところがあるが、荻窪は遠慮なく「わたしたちはルミネ」なのだ(^^)。
だがたしかに、阿佐ヶ谷の隣とは思えないほど、駅ビル(ルミネとタウンセブンをセットで考えるなら)に関しては充実しているし、それが無理な背伸びというよりは荻窪の雰囲気と規模にどこか合っている気がする。両隣の阿佐ヶ谷、西荻にくらべても独自の発展を遂げているように感じられるその理由のひとつは、このあたりで荻窪だけが「高架でない」ことに関係があるのかもしれない。駅と街がそのまますんなり溶けこんでいるとでも言えばいいのだろうか。
タウンセブンを見たあと、表に出た。道沿いのバス停を見たとたん「石神井方面からのバスでこのあたりを通るときに、いつか寄ろうと思って眺めながら通り過ぎている、あのカフェオレ大福で有名な亀屋に行かなければならない」と、その数秒前までまったく考えていなかったのに、亀屋に向けて歩き出した。駅から数百メートル歩くので、場所はバスから見て知っていたのだが出かけるのは今回が初めて。迷うことなく店に直行し、柏餅とカフェオレ大福を買って駅にもどった。
ひとりで行動していたからどこをふらふら歩こうと、どこの和菓子屋を思い出して数秒で決意しようと気が楽だが、これがもし誰かと一緒だったら…「カフェオレ大福の店に行くけど、一緒にくる?」と問いかけて「それ美味しいの?」と聞かれて「わからない、まだ食べたことがない」と答え、さらに「でも知ってるってことは有名なの」とか、余計なことを聞かれて答えながら歩くことになるのだろうか。ああ、ひとりでよかった(笑)。
冷凍で販売されているカフェオレ大福、家に帰ってきたときまだ凍っていたので、冷蔵庫に入れて休ませているうちに夜になってしまった。ほんとうはその日のうちに食べてくださいと書いてあったのだろうが、まあ仕方ない、明日食べるとしよう。