高齢者や、一時的に外出が困難な立場(産後や急な体調不良など)になった人が便利に使えるというセブンミール。会員登録して商品を申し込むと最短で翌日の昼から、弁当ほかいくつかの用意されたメニューから食品(ほか生活用品)が最寄りのセブンイレブンから配達されるらしい。
何年か前、近所のとても営業がうまいセブンイレブンが、制服姿ではつらつと手作りチラシとともに付近を巡回、「このチラシをご覧になっている方、セブンミールは当店から配達いたします」と、各戸の郵便受けに入れていた。最近は忙しくなったのか個別のチラシはなくなったが、節分の恵方巻きやらクリスマスやら、イベントがあれば何でも手作りチラシを持ってやってきたものだった。現在でも、大通りにあるとは思えないほど、きめ細やかな対応をするスタッフが多い店だ。もともとのオーナーが商売をやっていた場所を改装し、セブンイレブンのフランチャイズになったパターンかもしれない。地元になじんでいる店舗という印象が強い。
さて、セブンミールである。うちの家族が近所の家からセブンイレブンの店員が出てくるのを見たという。たしかにこのあたりは高齢者が多そうだ。家の構えは立派でも若い世代が外部に住んでいて、広い間取りに年寄りが少し残っている家もけっこうある。日々の買い物がおっくうになり、食事を作ったり献立を考えるのも面倒に思うようになるのが、年寄りというものだ。
話を聞き、おそらくセブンミールだろうと思ったので、サイトを見てみた。
専用メニューの弁当、総菜のほか、セブンプレミアムのお総菜(密封パウチの冷蔵品)やら、ちょっとした加工食品、デザートなども用意されている。しかも、店頭に自分で取りに行くのであればその際に支払いになるから話は別だが、自宅に運んでもらうのであれば、翌月引き落としもしくは請求書払いとなる。要するに「後払い」の扱い。
しかも送料は…
> 合計500円(税込)未満の場合はお届け料別途123円(税込)をいただきます。
…1回の注文が500円以下になることはまず考えられないため(弁当類1個でそれくらい、あとは自分でオプションを付ける)、ほぼ間違いなく送料タダということになる。
これら条件を考えると、利用者の側からしてみれば、かなりお得だろう。しかもざっと見たかぎり、登録だけして注文しない日がつづいても料金をとられるわけではなさそうだ。たとえば週の半分や、体がつらいときに数日間だけ家族の分をまとめて注文という使い方もできる。
セブンイレブンがどこかの地域に進出するには集中的に店舗を出すというのは、こういうサービスとも関係があるのだろうと想像する。どこの地域でも、出店するからには製造や流通、配送の拠点を設けて効率よく回していかねばならない。
店舗に出向かなくても調理済みの食品が配達されるとなれば、一度でもその便利さを味わった人は、リピーターになる可能性が高い。不特定多数に店舗に来てもらい自由に買い物をしてもらうよりも、前日までに予約がはいっているものを確実に配達できるならば、そのほうが売り上げは固いし効率がよいことになる。まして利用する側は「お得なのに送料が無料」と喜んでくれるのだから、双方に都合がよい。
これから足腰が弱まって気力も下がってくる年代の人々には、よいサービスかもしれない。
だが、まだ足腰に問題がないどころかもう少し運動でもしたほうがよい世代にとっては、体を甘やかして引きこもりしやすくなる、魔のツールとなるかもしれない(笑)。
いまのところ、わが家ではネットスーパーを10年と少し使っているが、セブンミールには手を出していない。だが、そのうち年をとれば、お世話になる可能性もあると思っている。
こんにちは。2004年に母が亡くなり、実家でひとり残された父の食事を調達するためにセブンミールを利用していました。
注文はウェブ上から私がやっていたのですが、当時のセブンミールはUIがとても使いづらかったため、注文操作を自動化するスクリプトを自分で作って注文したりしていました。
結局、それから2年ほどで父も鬼籍に入り、以来このサービスを使ったことはありませんが、セブンミールの名前を見聞きするたびに、このことを思い出します。
moonさん、コメントありがとうございます。
わが家も東日本大震災の数ヶ月後にひきとった義母の食事で苦労しておりますが、週に4回はデイサービス、さらにときどきショートステイも利用している関係で、たとえわが家でわがままを言って食事を残すことがあっても、施設では笑顔で食べているとのことですので、安心しております。
10年くらい前ですと、たしかに画面も使いづらかったことでしょう。わたしも何年か前に興味本位で中を覗いたことがありましたが、ちょっと見づらかったのを覚えています。
わたしもいつかこうしたサービスのお世話になるかもしれないので、今後も注目していきたいと思っています。