今日、なぜかふと気になって仕方なくなり、検索してしまった。わたしは自分が the United States of America や、その略称の the U.S. を発音するとき、さほど考えることもなく、母音の手前にくるときの the の発音を使ってきたが、それはなぜなのだろうと気になったのだ。この場合の u は「う」ではなく「ゆ」なので、半母音である。母音の前で発音が変わるという約束ならば、ここで the の発音を変えるのは、一般的ではないのかもしれない。
だが、United States や U.S. について、わたしが誰の手本もなく勝手に発音を覚えるはずがないので、ネイティブにもそういった発音の人はいるのだろう。映画の台詞や実在する政治家のスピーチなどで、かなりよく出る単語のはずだから、ある程度の教養ある層でも、この発音は使われているのではないかと思う。
もうひとつ、the の音が変わる要因となり得るのは、あとにくる単語を強調する結果になるような、ゆっくりと発音した場合だ。話者にとって、国を意味するこれら単語には「われらアメリカ合衆国」という気持ちがはいってしまい、自国を特別視しているが故の the の発音なのかもしれない。
この「特別視」の仮説を考えるとして、ひとつ思い浮かぶのは Ukrainian だ。ウクライナは英語の発音としてはユなのだが、人によってはネットで an ukrainian と書いている人もいる。スペルがUなので反射的にanとしているのか、あるいは実際にはユではなくウで発音する人たちもいるなどの事情があるのか。
わたしは誰かネイティブスピーカーが目の前でウクライナ話を(英語で)語るという機会に恵まれていないので、これもまったく困ってしまう。どう発音したらいいものやら(笑)。この問題を解決するには、ウクライナの形容詞 ukrainian が出てきそうな英語ニュース映像をたくさん見るしかないのだろうか。