ある通販サイトを見ていた。だいたい1ヶ月に1回は見るサイトだが、購入は年に数回。そういえば毎年よく暑い季節に「○○円以上(合算ではなく一度に)お買い上げの方に、プレゼント」というのをやっているのだが、今年のものがなにやら魅力的に感じた。しばらく画面の前で考えた。
だが、どう考えても、今年の設定金額が「8000円」であることを思えば、無理がある。その「おまけ」によく似たものを自分で探してきて買ったほうがいいし、それなら間違っても8000円にはならない。
おそらくその「おまけ」の製造と最低限のコストで計算するなら、原価は数百円だ。さらに、撮影がとてもうまいから付加価値がつくし「奮発して買い物したおまけだから」と、受けとった人はそれなりに評価しがちであろう。ここは、がまん、がまん。
おまけといっても8000円分の商品を買って初めてもらえるのであり、手元からはいったん8000円が出る。購入する予定だったものが3500円であったなら、差額の4500円で「そのおまけを」買ったのと同じことになるのだ。
いやいや、購入したその商品は自分が普通に使えるものなのだから、損はまったくしていないと、人は言うかもしれない。だが半年後にもしかしたら必要になるかもしれない商品をいまのうちから手元においてその分の金額を払うというのは、あきらかに持ち出しであり、いったん赤字になることと同義だ。
送料を入れて2000円台の「似たような商品」を見つけることができたら、わたしはぜひともそれを買おうと思う。なぜならいつもその会社で購入しているのが数ヶ月おきに4000円弱。ならば「おまけ」目当てにほんの一瞬だろうと「8000円かぁ」と目を奪われたわたしは、そこに普段との差額4000円程度の価値を見いだしそうになって踏みとどまった、ということになるわけだ。ここは意地でも2000円台で「そのおまけに似たもの」を探してみたい。むろん、可能ならば1000円台で。
それにしてもあの会社、毎年よくがんばって商品を考えるなぁ。大量生産ならば置き場の管理費もたいへんだろう。人が目を奪われそうな「おまけ」のため、どれだけの地道な努力があるのだろうか。商品の企画、製造、マーケティング、保管料で、どれだけのカネが動いていくのか。これで万が一にも「客の食いつきが悪い年」があったら、責任問題になるだろうなぁ。
さて、わたしとしては、来年も誘惑に勝ってみたいものである。