10年近く前に、膝だったかと思うが、あまりに急激に痛くなった時期があった。そのとき医師に「ただなんとなく痛くなっただけなのか、薬の副作用か」と尋ねると、わたしが当時服用していたステロイドで副作用に膝が痛くなるとしたら、その人はリューマチである可能性があると…話がややこしくなってしまい、けっきょくリューマチの疑いを払っておくため、膝を中心とした局部的なMRIを体験した。
今回、まったく違う部位なのだが、おそらく問題はないと思うが年齢もけっこう高くなってきたし、やっておきますかと医師に言われて、二度目。今回も局部的なもので所要時間はおそらく20分くらいだろうとの予測だったため、目を閉じていればいいだろうと気軽に出かけてきた。
身動きをしないように、呼吸を深くしないようにとだけ注意を受けて寝ていると、あれは機械音なのだろうか、規則的に何かが聞こえてくる。まさかあんな奇妙なBGMはないだろうから、おそらく機械音なのだろう。
それがなにやら、言葉に聞こえて仕方がない。
最初のうちは「ぶっしーテロっ♪」のくり返しに聞こえてしまって、武士のコスチュームを着た人が「テロッ」と言っているところを連想して笑いそうになり、こらえにこらえた。
おそらくそのあと「開始します」との合図が響いてからだと思うが、頭の周囲が筒状のもので覆われているため、反響によって聞こえ方が違ってきた。そのあとは機械の動作に合わせて「ぶじーん、テロッ」のように聞こえたり「ぶっしー」にもどったり、ほかにもひとつあった。あの状況でメモを取ることは不可能だったが、書き留めておいたらどれほど楽しかっただろう。
もっとも、わたしはどうやら、軽い催眠状態になっていたようで、横になってから終了と言われるまでに20分だったはずだが(実際に時計を見てもそうだった)、体感では半分くらいの長さだった。単調な音を聞きながら目も閉じている時間が長かったため、ある意味「寝ぼけ」ながら音を聞いていた可能性もある。実際にはどういう音なのか、もう聞く機会はそうそうないだろうから、しばらくのあいだは謎である。
それにしても、MRIは高い…。国保で6000円台。財布が軽くなってしまった。大腸ファイバー(内視鏡)より、おそらくちょっと高いと思う。まぁよい、もう今後はしばらく縁がないことを祈る。