どこかのチャンネルでディズニーの映画「シンデレラ」(2015年)を放映していた。ちらちらと見た。ストーリーはわかっているのだが、この手のものは目にはいった瞬間になんとなく見てしまう。傑作だったのはシンデレラに親切にしてくれる魔女役のヘレナ・ボナム=カーターだ。ディズニーでもそれ以外でも、古典の民話作品を原作とした映画には常連の芸達者なお方である。
出てきたとき庭の置物かと思うほど土っぽい見た目だったのだが、シンデレラに馬車などを用意してあげるシーンで「まずは着替えだ」と、なぜか大きな身振りで「自分の変身」を優先し、若返ってドレス姿になる。唖然…こういう話だったんだ、シンデレラって(←いろいろバージョンはあるのだろうが ^^;)。さすがの迫力である。そして、なぜほぼすべてが深夜になって消えたのちもガラスの靴の魔法だけは解けなかったのかについて、納得がいくシーンがあった。
さらなる見どころは、主役であるはずのシンデレラよりも先にクレジットされている継母役のケイト・ブランシェット。絵に描いたような継母。そして、見終わった瞬間に「僕ちゃんの監督作品だもんね〜」とばかりに、最初に自分の名前をでかでかと出すケネス・ブラナー。そうか、そうか、あなたの作品だったのかケネスさん。なるほど。。。あなた、いつも派手ですねぇ。エイジェント・ライアン(Jack Ryan: Shadow Recruit)のときも、監督だったのにすごく自分の出番を増やして主役級に頑張りすぎたよね。友情出演のミーシャ(ミハイル・バリシニコフ)は、ノークレジットで出てあげたというのに。けっこう自己主張が強いんだね、そういう人も、嫌いじゃないけどねぇ。
…まぁ、映画としては、可もなく不可もなくといったところ。楽しめる映画ではあった。たまにはこういう作品を見るのもよいかと思う。
シンデレラ、白雪姫、眠り姫などの有名な作品は、だいたいどこの国にでも似た話がある。
たとえば日本ではシンデレラによく似た「こめんぶくあわんぶく」がある。父親の再婚で家に来た継母に疎ましがられるのが「こめんぶく」(米福)、腹違いの妹が「あわんぶく」(粟福)。祭りに行きたいけれど用事を言いつけられたほかに着ていく服もないというとき、山姥に親切にしたときもらった宝箱があったことを思い出して中を見ると衣装が一式そろっていたので祭りに出かけ、若様と結婚することになる、というものだ。
その話を、もう少しきちんと思い出そうとして検索をかけていたら、すごいサイトに出会った → 民話想
シンデレラ関連だけでなく、手なし娘、瓜子姫、眠り姫、赤ずきんなど有名な話をまずは系統立てて大筋のパターンを解説し、その細部で例となるいくつもの民話を紹介していく。これは力作だ。ブックマークしておいて、ときどき拝見しよう。
童話、民話などは幼少時からかなり読んでいたし、大人になってから買い直したものもある。わたしもただ読んで頭に残してきただけではなく、このサイトの方のように、それ以上のことをする情熱があってもよかったのかな、と感じた——。いまからでも遅くはないのかもしれないが。
何らかのことを、こつこつと、書き残していける人間でありたいと、漠然と考えている。