文化庁が毎年発表しているらしい「国語に関する世論調査」で、調査方法の解説や設問、集計データをダウンロードできるようになっていたので、さっそく見てみた。テレビのニュースで多少は紹介されていたが、実際にはとても分量がある調査であり、これにまじめに答えてくださった方がいたため、こうして結果が出たのだろう。
さて、23ページに、いかの「どちらを使うか」の設問があった。
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芸能か、エンターテイ(ン)メントか
脚本か、シナリオか
芸術家か、アーティストか
競技場か、スタジアムか
雪辱か、リベンジか
運動選手か、アスリートか
おやっ…。雪辱とリベンジは、同じなのだろうか。そこからしてすでに、わたしとは感覚が違う。使い方は、似ているだろうか。雪辱は「前回(競技などで)負けた相手に勝つことができた」ときなどに「雪辱を果たした」という。いっぽうリベンジは、相手すらいなくても、もう一度やってみたいといった程度の気楽な内容で使う。たとえば「火加減が悪かったのかプリンが美味しくならなかった。明日リベンジだ」と、使う人は使う(わたしは使わないが)。
まったく、重さが違うはずだ。
27ページでは、奇特な人、琴線に触れるなどが勘違いされる傾向にあり、確信犯に至っては7割が従来の意味と違うものをそう呼んでいるとのこと。ほかに「らぬき」「さいれ」なども。
調査としてはたいへん有意義だが、雪辱とリベンジに関してはとくに、はたしてここに並んでいていいのかどうか、わたしの感覚が古いのかと、ちょっと気になっている。