生まれてこの方、可能なかぎりでボディシャンプーではなく固形石鹸を愛用してきた。泡の立ち方が違うし、なんといっても、泡を立てた分だけ少しずつ減っていくあの石鹸の形にロマンを感じずにいられないためだ(大げさ)。
ところが同居家族は逆で、1年くらい前までボディシャンプー派だった。おかげで浴室にはわたしが気分で使い分ける石鹸2〜3種と、家族が使うボディシャンプーがところせましと並んだ。わたしもたまにはボディシャンプーもいいかと、奮発して男女差がなく使えそうな香りのものを1本追加。
だが、それは突然にやってきた。日付までは覚えていないが昨冬のある日、家族が病院から処方された薬が体に合わなかったらしく、日々少しずつ発疹が出て、最後には薬をやめるだけでは済まずに塗り薬を大量に塗布することに。そのころふと、わたしが買いそろえて浴室においている石鹸類を見たらしく「今日からそれを使う」と。
ちょ、ちょっと待ってくれ。う〜ん、一時的だろうか。わたしは自分では使わないボディシャンプーを、こんな日が来るとは思わずに、買い置きしてしまった。もしこれが一時的でなかったら…? 本人にそれとなく「これからずっとなのか」と尋ねると「湿疹が消えたらそのときに考える」との返事。
何週間かして、すっかり湿疹もよくなったのだが、ついに完全な固形石鹸派になってしまったようだ。それから数ヶ月、わたしは自分が普段は使わなかったボディシャンプーが不憫になりときどきは使ったりして、さらにこれまで買い置きした石鹸も放出したので、なかなか自分の好きな固形石鹸を使う順番が回ってこない。しかも現在、家族は「これが気に入った」と、写真の「アレッポ」の石鹸(戦火の影響で現在のところ一時的にトルコで作られているが名前はアレッポのまま)を愛用。これが古式ゆかしいシンプルな石鹸のため、減りが早い(笑)。
(見た目は茶色いが、使っているうちに内側が自然な緑色になってくるオリーブオイルの石鹸。洗顔も可能なほどマイルド)
けっきょく、買い置きしてしまったボディシャンプー、わたしが従来から買い置きしていた石鹸のほかに、このアレッポを予備でまた買っておくことになった。
しばらくのあいだ、これ以上の石鹸たちを買わないように、要注意だ。