昨日、森元総理の在任当時の失言集や笑い話などを見かけた関係で、作家の大下英治氏(ときどきテレビなどのコメントでお見かけしていたが最近はどうされているのか)の著作をおさらいしていたら、80年代前半に世を騒がせた三越の「女帝」スキャンダルを思い出した。
より正確に書くならば、女帝という言葉はとても有名になったものの、まだ完全には解明(説明)されていない一連の問題だ。とくにスキャンダルの発端となった「古代ペルシャ展」を、わたしはどうしても忘れられない。
80年代前半、わたしはやっと友達と複数ならば日帰りの東京見物くらいはできるようになった年齢であり、デパートで何か展示会、展覧会があったら見にいこうと思っていたころだった。そんなわけで、三越で「古代ペルシャ展」というものがあるらしいと、情報だけはつかんでいた。
だが、まだ開催前であってよかったが、目利きの方々や関係者の意見として展示予定作品に「贋作が多い」という話が流れてきたことを、新聞等で知った。大手のデパートであり、当時は江戸時代からとは知らなかったがかなりの老舗が、そんな贋作商品を堂々と展示するなどと、すごいスキャンダルだなと思った。だが、三越が騙されただけなのかどうかの続報を待つうちに、スキャンダルは別の方向へ。
当時の社長が服飾デザイナーの愛人に大きな権限を持たせ、三越は事実上このふたりに牛耳られていたという話になった。女帝という言葉も毎日テレビを賑わした。社長は交代し、背任の容疑でふたりは裁判にかけられたが、社長はのちほど死亡、女性の側は長引いた裁判ののちに服役し、その後にお亡くなりになった。
Wikipedia: 三越事件
…で、古代ペルシャ展であるが。。。よほどのアホでもないかぎり、開催前に外部からの指摘で贋作の疑いがかけられる商品が(1〜2ではなく)多数含まれるような展示会の危険性を見抜けず、ただ企画会社に丸投げすることはないと思うのだが、三越の誰かが知っていて黙っていたという報道もなされていないので、おそらく、上層部がアホだったということで、よいのだろうか? わたしには、30年以上経っても、まだわからない。