ちくま文庫の「誤植読本」という文庫を読みはじめた。これまで作家らが発表済みの「誤植」や「校正」に関する文章をまとめたものである。なかなかおもしろい。
ところで今日、Facebookでこんなものを見かけた。
オーストラリアの新聞社で2011年に実際に出された訂正記事だという。内容は「30,000頭の豚と書いてしまいましたが、各種の豚が合わせて30頭でした」とのこと。何のことやら目が点だが
30,000 pigs サーティサウザンドの豚だと記事にしてしまったが
30 sows and pigs サーティ ソウズ アンド ピッグスだった、ということらしい。たしかに、慌てていれば、間違えてしまう…のかもしれない?
豚といえばピッグと思ってしまう日本人が多いだろうし、ネイティブでもないと耳慣れない言葉だろうが、検索してみたところ、sow は10か月以上の雌豚で、pig はおおむね若い豚(種類など問わず)を指すのだそうだ。
さきほど紹介した本でも、戦前に「酒一升の持ち主」として印字されたものが、実は「左翼思想の持ち主」だったという例があったというから(P.14)、時代や技術は変われど「音(おん)での類似」は、なかなか亡くならないものなのかもしれない。