ほんとうは、自衛隊が南スーダンに出発した話や、神奈川県で現在中学生の男の子が小学生時代に(福島から引っ越してきたことが大きなきっかけで)いじめられていた問題など、書いておきたいことはあるのだが、どうも重苦しい話を避けたいという気持ちが働いてしまうようだ。映画の話、外国語の話は気が楽だし、ネタはつきない。
最近スターチャンネルなどで放送されている2014年の映画「ジョン・ウィック」。
凄腕の殺し屋だった主人公ジョン(演じるのはキアヌ・リーブス)は、結婚を機に足を洗ってかたぎになった。だが最愛の妻が病気で亡くなり、生きる希望を失いかけたところ、数日後に妻が生前「自分がいなくなった世界に夫が楽しみを見いだせるよう」と、届けるように手配してあった子犬が到着。喜ぶ主人公。
だが、かわいがっていた犬が、家に侵入してきたならず者3人組に殺されてしまう。彼らは昼間にジョンの車を気に入り、売らないかとからかったのだが、軽くあしらわれて腹が立っていたようだ。ジョンを殴り、目の前で犬を殺し、車を奪って逃げる。
ところが盗んだ車を持ちこまれた店は、すぐにそれをジョンのものと見抜き、ジョンを襲って犬を殺したと語る男たちにそっぽを向く。ジョンは裏社会では名の知れた存在だった。しかも襲った男たちの中心人物も、その父がまた裏社会を知り尽くした大物でありジョンとも旧知の間柄。いったんその父がジョンを懐柔にかかるが拒否され、息子を殺しに来ると確信した男は、大金で人を集めてジョンの殺害を試みる——
奥さんの形見とも呼べる犬が殺されたことで、数年のブランクも何のその、伝説の殺し屋が街を狭しとばたばた殺しまくるという話であるが、なかなか話の合間にうまく「ツボ」があって、飽きさせない。
この映画の中でおもしろいのは、掃除屋(遺体や、現場の掃除を瞬く間におこなう)の仕事請負人なのだが、呼ばれればジョンの家にも、敵の家にも、そして殺し屋たち御用達のホテルにも、どこにでもやってくる。一手に請け負って他業者に仕事を奪われる心配もないようだ(笑)。また、ホテルのサービスがなかなか素晴らしい。フロントデスクにいつもいるのはテレビ番組「フリンジ」でオリビアのボスだった男性だが、ひょうひょうとしている。
たまにはこういう映画も(というか、こんなのばっかり見ているような気もするが)、おもしろい。