今日、昼のニュースバラエティのような番組(TBS)で、弁護士の八代英輝氏が、民主的な方法で決まってきた経過(豊洲への移転)と、すでに6000億円かけてできあがっている建物、安全だとするデータや主張を無視して、築地改修案がいま出てくることはおかしいと、語気を強めて語っていた。
たしかに、一理あるとは思う。
だが…。
それが、おっしゃるような民主的方法だったかどうか、密室での会話で記録も残っていない状況から進んだことだったのではないかというところまでをも、知らずには次に進めないと考える都民もいる。そしてそれらの疑問がすべて調査で明るみに出て、あるいはほんとうにすべてを明るみに出せるのかといった「都の自浄作用への期待」が持てた段階で、ようやく「安心だとするデータがあるならば、進みましょうか」という考え方になる人も、いるのではないか。この巨大な都市である東京都に、必要最低限の自浄作用があるのかどうかを、まず確かめたい。
現状では「この先も、なんでもうやむやになっていくのではないか」という不満、そして「安全だとするデータが出ている、五輪準備もあるんだから、さっさと豊洲へ移転しないかと、ずっとせっつかれているかのような」不安感は、移転に不安を持つ関係者のみならず、一般都民にもある。
さらに「これまでに、いくらいくらの莫大な金額をかけてしまった建物を」というのは、無理からぬことではあるが、慎重に排除したほうがよい考え方ではないかと、思っている。これまで何兆円つぎこんだ原発事業であるとか、これまで何年もずっと工事してきたが方針の紆余曲折や地元との摩擦などで完成していないダム、それらはかならずしも「すでにつぎこんでしまったから」という理由で、判断されるべき事案ではないだろう。ほんとうに必要かどうか、という点がたいせつだ。
わたしは、個人的には、豊洲の規模を予定の何割かにして、築地と両方でいいとこ取りをしながら再整備を進め、あまったスペースを別の商業施設にしてしまえばいいと思う。もちろん、素人の案だから予算のことはまったくわからないが。