東京に催事出店する地方の菓子店に、ひと言…

 地方の菓子店の商品が、思いがけずデパ地下の隅や出入口近くの空きスペースにひょっこりワゴン形式(もしくは臨時テーブル)で出店されていると、思わず立ち止まって見てしまうのだが、いまだに残念に思うのが「自分たちが販売管理しやすいものを売っていることがある」という点。

 たとえば今日は新宿京王の地下入り口近くに出店していた、菓匠三全の「萩の月」ほか一部商品。売り手側が売りやすい小箱詰め——萩の月が5個くらいはいった小箱か、各種商品が詰め合わされた箱が積まれていた。わたしは萩の月2〜3個なら買いたかったが、ばら売りはしていそうになかった。

 商品の管理に都合がよい(展示も販売も、入り数が決まったものを積んでおけば見た目も整うし、ばら売りよりは衛生面でも安心)という事情はあるのだろうが、わたしのような客を1時間あたり5人か10人とりこぼしているとしたら、たとえスタッフが客に代わって「バラ3個ですね〜」と商品をとる形式にしたとしても、元は取れていたと思う。ちなみに小箱を積む楽な販売スタイルで考えるならばスタッフは最低でもひとりいればじゅうぶんだろうが、わたしが見た時間帯には、ふたりいらした。ならば、手間がかかるように感じられても、立ち止まる客をもう少し増やして売り上げ増が期待できるのは、ばら売り方式であると、強く書いておきたい。

 東京に催事でやってくる菓子店のブログやFacebookを拝見していると「思いっきりアウェイ感を味わってます、地元ならどんどん売れるのにぃ〜」と嘆くお姿が見られることがあるが、そういったお店にありがちな判断ミスとして、たとえばロールケーキを「ロングで」売ろうとする。ハーフで提供するのでも長すぎるくらいなのだ。3分の1か、あるいは「スライスしてあるもの3切れでいかがですか」をやらなければ、東京のデパート催事などでは売れないと思う。たいていの人は「まずは自分で食べてから、美味しいとわかったら次回は人にも持っていく」と考えるものだからだ。催事で初めて見た店で、ロングや塊で買う人は少ない。

 今日は人様に頼まれた用事でベルン(デパ地下にある菓子店)のミルフィーユを買いに小田急に寄ったのだが、さすがそつがない。ばら売りはしないが「3本1セット(味が3種類なので1本ずつ)」から揃えている。3本、7本、10本、20本、30本である。「どれかの味だけをたくさん買わないで、ぜんぶそれぞれ味わって〜♪」という強引さも感じられるが、それにしても「3本」から売るのが、やはり商売というものだろう。

 ああ、ばら売りで1個だけ萩の月が食べたくなってきた…。さすがに仙台や盛岡あたりの直営店でないと、ばら売りはしてくれないだろうか。

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