わたしにとって初代のiPhoneを買ってまもなくのころ、将棋のアプリ(金沢将棋)をインストールした。本人の記憶にはすでにないが、どうも数百円の料金を払ったものらしく、対戦レベルが選べたり、いろいろなメニューが使える。下手の横好きとはよく言ったもので、勝負事にからきし弱いにもかかわらず、幼いころ周囲の年長者や大人たちと一緒に将棋をした思い出だけは大事にしたかったようだ。
何年も使っていなかったアプリだが、藤井四段のことや、いろいろな話題に刺激されて、立ち上げる回数が増えてきた。だいぶ前にレベル37までは(むろん「待った」などの助けを借りつつ)終わっていたらしく、いまレベルレベル38という画面が出ている。これが勝てない。
あまりに勝てないので、ネットで将棋のコツなどを検索してみた。細かい戦法の名前などは把握していないが、ためになる表現として「どんなに強い人でも、王将をしっかり守ることを考え、型破りなことをせずに戦うものだ」というものがあり、ああ、なるほどな…と。将棋のいちばん強い型は、初期の配置だ。相手を攻めるために型を崩すことで完璧さは損なわれていく。だが王将を守るという基本を忘れずに駒を動かしていけば、いつか道は開ける。
それを考えながらアプリを再開したら、かなりいい線まで行くようになった。できるだけ早く39に進みたい。できれば「待った」なしで。