今年も文化庁の「国語に関する世論調査」の話題が楽しい。2017年の2月〜3月に調査をしたもので、年度としては平成28年(2016年度)の内容となっているようだ。
文化庁 → 平成28年度「国語に関する世論調査」の結果について
PDFをダウンロードしてみたのだが、全国の16歳以上男女を対象にした調査で、有効回答数2,015人(56.5%)とのこと。どうせならもう少し増やせばいいのになぁ…と毎年思う。
毎年テーマが多少違うようだ。たしかに毎年同じような内容を質問しても変化はあまり大きくないだろうから、何年かで一巡するのかもしれない。
去年は「さ入れ言葉」が印象的だった。ら抜きはもうあたりまえで、最近は「さ入れ」なのだと聞くが、たとえば「帰らせてください」ではなく「帰らさせてください」とか、「休まさせていただきます」の「さ」である。
なにも無理に「さ」で対処するのではなく、別の言葉を使えばよい場合もありそうに思うが、どうなのだろう。たとえば「失礼する」で「先に帰る」という意味になるし、「見させていただく」よりも「拝見します」のほうがスマートだろう。規則性を考えると「さ」をはさむほうが楽なのだろうか。
今年は謙遜での意識調査や、対人関係での言葉(呼び名)の選び方があった。たとえば人に物を贈るとき「苦労して選んだんです」とか「美味しいはずです」といったことを「言わない」のポイントが前回の同等内容設問時より高くなっているとか、自分を強く出さないとする人の割合が若干減って「場合による」が増えているなど。そしてよく知らない人にと話すときは、無難に「苗字+さん」を使う人の増加。あなた、おたくなどの直接的なものは避け、役職なども減り、苗字+さんが増えてきている。
言葉の意味について「ぞっとしない」が「恐ろしくない」意味だと思っている人が、正解の「面白くない」の倍のパーセンテージだったのは、ちょっと笑ってしまった。おそらく、聞いたことがないから、そういう意味だろうと想像して答えたのではないだろうか。早い話が「つまんねー」ということである。恐ろしさとは関係がないのだが…。
来年も、楽しみにしている。