開票前からあれこれと耳にし、予測されていたことでもあるし覚悟もできていたが、自民党はほぼ同じくらいの規模で存続する。いったいなんのための選挙だったのかがわからなくなって、有権者や国民は振り回された。
だが、よいこともあった。迫り来る大型台風(近年に例を見ない規模)にそなえて、期日前投票が有権者の2割にも及んだらしい。当日は投票率が低かったが、すべてを足すと、前回の戦後最下位よりは、少し高いのだという。念のため期日前投票をしておいたわたしだが、今日は雨の中で近所に2回ほど出かけた際、投票に向かうらしい男女を何組も近所で見かけた。とくに昼ころの外出では数も多く見られた。投票をすると決めている人にとっては、雨は問題ではないのだと、うれしくなった。
そしてもうひとつのよいこと。立憲民主党ができたことだ。
わたしはかつて、毎回の投票ではないが、民主党を応援したことがある。選挙時期に候補者選びの参考のため毎日新聞が提供する「えらぼーと」などの結果によれば、わたしの思想の傾向としては、社民や共産が近いらしい。そのため、社民や国民新党と連立した鳩山政権の誕生時には、かなりの期待もしていたように思う。
だがその後、民主党は組織を守るため「いいとこ取り」をしすぎて、考えがまとまっているようにはとても思えずにいた。民進党になり、つい先だっての代表選では前原氏が勝利した。もう何も見るところのない党になったと、そのとき考えた。
今回の件で、立憲民主党ができてくれてすっきりしたし、ほっとした。党は大きさではない。考えがまとまっているかどうかだ。組織の安泰を図るのではなく政策をしっかり練っていけば、仮に構成員がどう増減しようと、支持者はついてくる。
すっきりして再出発できる党が生まれたことをひとつの成果と考え、今後も政治の世界を有権者として見つめていきたい。
それにしても、まれに見る規模の台風情報と開票速報とが、ひとつの画面に延々と何時間も重なって表示されていくテレビ番組は、ある意味で忘れられないことだ。
東京は夜中の3時ころに雨が強いらしいが、全国での被害が少なくて済むように祈っている。