バイオニック・ジェミーの話題につづき、今日はジャニス・イアン。復活の日という映画が1980年ころあって、わたしはやっと自分の小遣いで映画を見はじめたころだったので、はりきって出かけたのを覚えている。
原作として小松左京の描いた長編小説のストーリーは、こんな感じである。南極にいた各国の観測隊員たち約1万人のコミュニティを残し、世界の人々がウィルスで死滅してしまった。このまま南極にいれば彼らは生きながらえるが(ただし出産可能な年齢の女性はごく少数のため、人間が復活できるかどうかは微妙なところ)、課題は山積みである。
そんなあるとき、無人となった世界において、核のスイッチが何かのはずみに押されたら、そして1発でもそれが南極に向いていたら、全員が死ぬのではないかとの説が出てくる。そして主人公の吉住(映画で演じたのは草刈正雄)が、死の世界となったアメリカに上陸してそれを確認する任務につく…。
映画版のラストはとても残酷だ。どちらの場合でも吉住は生きているので主人公の生存のみ考えればあまり差はないかと思う人もいるかもしれないが、原作の最後は、ほんとうにやりきれない。
映画では南極のコミュニティは850人程度、そしてオリビア・ハッセーなど若い女性も登場する。そして何より、最後が、残酷ではなくすっきり感動になってしまう…。
ちなみに主人公の吉住に同行してアメリカに渡り核のスイッチを探す相棒は、若いころの米俳優ボー・スヴェンソンが演じた。たしかジョージ・ケネディとかチャック・コナーズとか当時はかなり有名だった役者も多く出演していたはずだ。
さて、脱線ばかりしているが、ジャニス・イアン。
この映画に関連して、日本ではジャニス・イアンが歌った「ユー・アー・ラブ」(You Are Love – Toujours gai mon cher)がとてもヒットした。日本版のサントラには、そのYou Are Love と、映画本編では使われなかったがYou Are Loveがシングル盤で販売された際にB面に使われていたAll to Youという曲がはいっていた。英語圏用に短く編集されて映画「Virus」となった「復活の日」では、英語圏でサントラが仮に発売されたにせよジャニス・イアンは出ていないし、もちろんAll to Youもはいっていない。
All to Youが、聞きたくなった。
わたしは何ヶ月か前に「頭の中に響いてくるこの曲はなんだったけ、歌詞まで覚えているが、ネットでその歌詞を打っても引っかからない」と、頭をかかえたことがあった。その後、そうか英語で検索しても英語圏の人間はこの曲を知らないからネットに書かず、日本人はユー・アー・ラブの話題しか出さないので、日本語でも英語でも検索できないのだと気づいた。タイトルはAll to Youに違いないと、やっとわかるまでに時間がかかった。
その後もときどき検索していたのだが、やはり日本向けに編集されたジャニス・イアンのアルバムか、あるいは映画「復活の日」の復刻CDを買うしかないらしいと、出費を覚悟して商品を検索。
ジャニス・イアンの「ナイト・レイン」というアルバム(日本で曲が追加編集されたものであり、輸入盤ではだめ)ならば、All to Youが含まれているとわかった。You Are Loveはネット上にも動画や訳詩が複数あるが、All to Youはhmv.co.jpのサイトで数十秒が試聴できたのみ。
楽天で、ポチッと、お買い上げ。
無事な到着を祈るのみ。
つくづく、なぜこう「子供時代に馴染んだものを追い求めてしまう」のか、不思議に思う。一度それがはじまると、気になって仕方がない。