実は昨日ちょっとショックなことがあって、人生について少しばかり考えてしまったのだが、今日になって30分のつもりで昼寝をしていると、たまたまそれを目にした連れが笑っていることに気がついた。
どうやら、わたしは夢を見ながら笑っていたらしい。満面の笑みだったようだ。
そのとき見ていた夢は他愛もないものだった。5両くらいの編成の大型高級バス(電車ではない)で、中がホテルの部屋か、あるいは劇場の隅のようなラウンジを思わせる場所。とくに決まった席というのはなさそうなので、わたしと、同行していた若い連れの女性とが「ここなら腰掛けてもよいだろうか」という場所を見つけた。
目の前には不思議な形の、寝台のようなものがあった。寝台と違って真四角だがシーツのようなものがかかっていて、見た目としては大きくて表面がふかふかのコタツのようだったが、その上に、鼻歌を歌いながら寝転ぶような仕草で細身の男性が着替えをしていた。脱ぎながら、寝転ぶついでに足を高くあげたり、何やらナルシストっぽいお兄さん。さっさと着替えて普通に座れば次に来る人たちも利用できるのになぁと、のんびり眺めていると、そのお兄さんのすぐ脇に、性別はわからないが普段着を着た中高年がやってきて、腰をおろした。
そのお兄さんのことはまったく意に介していないようで、お兄さんのほうもまったくその人物に気づいていない。やがて、お兄さんが「ここが決めのポーズ」とばかりに寝返りを打ちながらポーズをとったときのことだ。あとからやってきた人物が、重そうではないがある程度の大きさがあった手荷物をお兄さんの腹部にポンと置いてしまった。
埋もれるお兄さん。
それがあまりにこっけいで、わたしは実際の顔に出るほど、夢の中で笑っていたらしい。
わたしが笑っていたと言いながら、連れが笑っていた。
なんだ、昨日はあれこれ考えたけれど、人間は、笑えるんだ。
そう気づいたら、明るくなった。