レイドのモンスターが入れ替わる時期になるとジムが混雑するポケモンGoだが、昨日は家族を駅まで送りに行く際に「少し遠回りだけれどちょうどジムに黒たまごが出ているから、グラードンでも捕まえていくか」と、歩いていったところ、黒山の人だかり。
細い商店街だというのに、道の両端に細長く、ざっと30〜40名くらいが立ち止まっている。中には自転車の人もいた。何も知らずにそこを通りかかった人には、かなり圧迫感がある光景だったかと思う。
わたしたちがそこに到着したのがちょうど黒たまごがモンスター(しかも昨日から登場のカイオーガ)になった直後だったので、プレイヤーが一斉にうつむいてスタートまでのカウントダウンをスマホで確認しはじめたのは、事情がわからない人には、気味が悪い光景だったかもしれない。見まわして思ったのは、けっこう若い世代もいるんだな、ということだ…。お子さん連れの声もした。一緒にプレイするのか親がプレイするのかはわからないが、さまざまな年代がいた。
そこに30代くらいかと思われる女性たち数名が通りかかって「ここは何なの、何してるの」と大声を出す。あまり何度も言うものだから、ほんとうに聞きたいのかと「ポケモンですよ」と教えてあげたところ、どうも話題のラーメン店があるのではなどと想像でもしていたのか、ひとりふたりは「ほ〜」と驚いて、沈黙した。だがひとりは、小馬鹿にするような、あるいは、まるで宿題をやらずにテレビを見ているカツオを怒るサザエさんのようなイントネーションで「まだやってるのっ?」と、大きめの声を出した。
正直なところ、はじめはその人が言ったことが理解できなかった。レイドが開始したかどうかのタイミングなのに「まだとはなんだろう、スタンバイしていて、いまプレイ開始したところなのだが」、「何度も知りたそうな声を出す人がいたからポケモンだと教えたというのに、何に/誰にいらついているのだろう」、と。
連れが、ポケモンプレイヤー全般にいらついているのだろう、まだそんなもの(ポケモン)をやっているという意味ではないかと小声で言ったので、ああなるほどと、納得がいった。たしかに道にたくさん人がいて、話題店の行列でもなく自分の知らない用件で集まっているというのは気味が悪いかも知れないが、実際にプレイしている大人数を目の前にして、とても度胸のある発言だとも、同時に感じた。
車の通る道沿いにジムがあると、きっちりと路肩に寄せるでもなく、ただなんとなく「人が乗っているのだからいいでしょう」とばかりに数分間ポケモンをして去る車がある。あれはさすがに問題だし、ああいう人たちと一緒にされてしまうのは悲しい。だが歩行者中心の商店街であっても両端に並んでレイドを待つ人々もいるのだ。温かい目で見てもらいたいものだと思う。