モノを買うという行為について考える

 このところ、初めての店で買い物をする機会が増えている。ひとつには楽天もしくはその店の独自サイトで買うことが多かった商品を、Yahoo!で買うことが増えてきたためだ。以前はYahoo!は苦手で、会員登録すらしないと決めていたのだが、諸事情により、会員になって数年になる。

 Yahoo!は出店の手数料が少ないため新規の店や個人業者が参加しやすく、ほかの通販サイトで見かけない店も多い。それだけに、マイペースでゆるゆると営業している業者も多いのではないかと思う。

 楽天やAmazon、または大手企業の公式通販サイトなら、連絡を取ろうと思えば数時間以内にメールの返事が来るが、この数日わたしがやりとりしていた店は1日以上してから返事が来ることが重なり、ひさびさにドキリとした。平均すると1年に1回くらいのペースで、通販のトラブルを経験しているが、もしや今回も…と警戒。だがその店は遅れても返事をくれるとわかったので、様子見をしている。おそらく問題はないのだろう。

 ちなみに去年3月のトラブルは、将来もしわたしの目の前でこの店に関心がある人が現れたら全力で阻止したいと思うほど、不愉快な体験だった → 小規模店舗のネット通販に思う
 けっきょく先方は、わたしという(先方から見れば面倒くさい)客から逃げ切れたと思っているのかもしれないが、わたしは誠意を感じなかっただけでなく、先方が自分たちの側から口走ったお詫び内容を実行することがなかったことを、ずっとこの先も忘れるつもりはない。

 さて、前を気が長くなったが、物を買う行為について。

 その商品がほしいという気持ちがあるのは、もちろんだろう。だが買い物を実際にするまでに経験する「わくわく感」や、「これを買ったらどうなる」という将来への期待も、そしてそれらに費やす時間も、すべてを合わせて買っているのが、買い物という行為だろうと思う。だから何か予定と違うことが起こったとき、自分の側から自発的に相手を許せる場合もあれば、逆に相手から「結果として料金が合っていて損はしていないのだから手違いを許してくださいますよね」という態度をとられると、とても大きな損をした(商品だけではなく自分のいだいていた気持ちを台無しにされた)と考えてしまうことも、しばしばある。

 この1週間くらいの通販のことが念頭にあったのか、今朝は妙な夢を見た。
 届いた商品がまったく違うもので、量も少なく、説明も異なっていて…とにかくひとつひとつがすべて納得がいかないものだった。それでも、わたしが悲しんだり怒ったりしないよう、となりで家族が「これでもいいじゃない」とか「何かが届いただけいいじゃない」というのだが、夢の中でわたしは、だんだんと情けなくなっていった。それでも「自分は騙された、かわいそうな人間だ」と考えることはみじめで、かといって「とことん闘う」と考えるほどには気力がなく、ああ運が悪かったと考えるしかないのかと、とても疲れているうち、夢から覚めた。

 わたしだけではないだろうが、通販に期待している「ほしいもの」は、商品そのものだけではない。選びながら感じたわくわく、自分の費やした時間を、そっくりその商品に求めたい。どちらの側も手違いがなく商品そのものに納得がいかなかった場合は、自分に合わなかったとは思っても、買ったことを後悔しない。だが当方の注文方法ならまだしも先方に手違いがあった場合には、気分は暗くなる。沈みきってしまわないように心の切り替えを努力も必要だ。
 誰に対しても問題のない応対というものは存在し得ないだろうが、多くの人が不安を感じずに済む応対というものもあるはず。これだけの回数を通販していても不安を1年に1回程度しか感じずに済んでいるのは、わたしが相性の良さそうなお店を吟味していて、それが成功しているのかもしれない——そう考えることにしよう。

 最後に。上記の体験のほとんどは食品のことだが、購入してすぐすべてを確かめることができないもの(書籍)の場合は、少し事情が異なるかもしれない。

 狙っていた古本が買えた途端に安心して枕元に積み、それで読まなかったこともある。もう探さなくていいんだ、見つかったのだからいつか読むと、そういう気持ちなのだろう。かと思えば、軽い気持ちで購入して自分に合わない本と思いながらも「時期が違ったのだ、来年くらいに読めばもっとよくわかるに違いない、だから手放さない」と積んでいるものもある。所有欲、知識欲、そして「持っていれば何かが起こるかも」というあやふやな期待。いろいろなものが、まぜこぜになっているようだ。
 

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