最近の高齢者は、わたしが子供のころに見ていた高齢者と食生活や言動がずいぶん違い、世の中は変わったのだなとつくづく考えさせられる。1年くらい前だったか、バスで乗り合わせた高齢の老女は「食べた気がするのはやっぱり肉よ、それも、豚じゃなくてギュウ」と豪語していたし、一緒にいた相手も大きくうなずいていた。
どうやらいまどき、絵に描いたような高齢老女というのは、わたしの田舎に暮らす実母くらいなものらしい…。
さて今日の昼はファミレスにいたのだが、隣の老女がすごかった。どうやら普段はひとり暮らしで、老人向け食事サービスを使っているらしい。同席の娘さん(50代くらいか?)が「お母さんとしては、セブンミールが大活躍ってことね」と念を押していた。
その返事を聞いていて、どうやら事情がわかってきた。
「温めが面倒じゃなくていいのよ。タニタはね、1品1品が、どれを何分の電子レンジとか、面倒でだめ。それにね、味が薄いし、焼き魚って書いてあって蒸し魚みたいな感じだし、だめだめ、看板に偽りありだよ」——つまり、そういうのがいいだろうと思って注文をすすめている周囲にお構いなく、体に悪いものを食べたがる傾向があるようなのだ。娘さんも「お母さん、温めの問題がどうのって言うけど、ほんとは薄味が嫌なんでしょ。看板に偽りありなんてこと、ないと思うよ。それを狙って売ってるんじゃないのかな、タニタは?」
そのあたりから、母親のほうは、なにやらもごもごと、とにかくダメだと言っていて、話は噛み合っていなかったようである。
まぁ、高齢になっても外食をして、ファミレスに出てこられる元気があるだけ、よいのだろうと思う。それにしても昔の「あっさりしたものが好き」な高齢者像は、昭和とともに消え果てたのだろうか(^^;。