先日こちらでも紹介した、ご存命なら90歳以上の「こばやしすみこ」さんを探している件で、戦前戦後の日本の事情や、いろいろなことをネットで検索する機会があった。毎日少しずつ勉強している。
戦後の日本では、数字のかなりの割合が第二次大戦直後の占領軍兵士と日本人女性で占められるのだろうが、正式に結婚をしてアメリカや他国に渡った日本人だけでも「数万人(リンク先はWikipedia)」いたと見られる。長期の内縁関係、ごく短い期間での恋愛関係、あるいは逃れられない何らかの事情による関係を入れたら、その何倍もの人数が戦後に外国人と関わりを持っていた可能性がある。
そのうち仮に半分の関係でお子さんが誕生していたとしても、ひとりひとりを追うのはたいへん困難なことだ。それにインターネットでは、たいていの場合、ご自身もしくは周辺の人が有名人でない限りは検索対象にならない。ひっそりと庶民の暮らしをしている人は、ネットの中に埋もれている。
今回こうしてウェブページを作成する形での協力をしたが、間接的な知人である依頼者に、日本にどれだけの数「こばやし」さんがいて、戦後の日本で日本女性と占領軍兵士のあいだにどれほどの数の結婚(または事実婚)があったかを、ご理解いただいているかはわからない。ただ自分なりに、これくらいならばできるけれどと提案した内容で承諾の返事があったため、協力をした。
ネットで、付随情報がほとんどない「こばやし」さんを、しかも日本語が読めずにアルファベットで検索して見つけられる確率は、かなり低い。ご本人に、それをご理解いただけているとよいのだが。
ネットでの情報は、掘り起こすすべがわかっていれば別だが、たいていの場合は表面をなぞった検索しかできない。
よく「わたしは○○の生まれ変わりだ」という話をする人がいる。たいていの場合は有名人である。クレオパトラとかシーザーとか、織田信長とか天草四郎とか、そんな風に「人が知っている」人物の生まれ変わりの話が耳に入る。「○○村」に住んでいた親が「職業□□」で本人は「若くして亡くなった無名の△△」である、という話は聞こえてこない。
大勢の、無名だがたしかに存在していた人々がいる。
それらを掘り起こすことができるとしたら、最終的には、個々の人の記憶と、そこにたどり着けるだけの幸運しか、ないのかもしれない。