昨日だっただろうか。テレビのチャンネルを適当に変えていたとき、いまは亡き渡瀬恒彦が主演する「十津川警部」シリーズのドラマが目に入った。原作は言わずと知れた時刻表ミステリーの大家、西村京太郎。作業中だったので、最初のほうと最後のほうだけを見たのだが、車両の見た目には、ひと昔前のJR(正確には、消えたはずの国鉄)の残り香が。なんと懐かしい。
ドラマの放送は2009年で、寝台特急殺人事件のドラマ化と思われる。原作はかなり古いが内容は2009年の時代に合わせていたのかもしれない。
そのころすでにJRになっていたのではないかと思うが、上野始発で盛岡まで「ゆうづる」に乗ったことがあった。島田荘司の「ゆうづる2/3の殺人」(←読みは「三分の二」であって、二月三日ではない)を読んで、いつか乗ろうと思っていたのだ。B寝台だったと思うので2段か3段のベッドだったか…とにかく寝心地は悪かった(笑)。朝の6時過ぎに盛岡に到着したが、駅の中で朝から粥を出す店があったので、軽食をとったのを覚えている。
地方がどんどんと近くなり、いまは東京駅から盛岡まで、停車駅の少ない新幹線を使えば3時間かからずに到着できる。もはや地方に夜行列車で行く時代ではないのだろう。現在の夜行列車も速度や日程短縮よりも「特別感」を出すために企画された臨時列車または完全予約でイベント的に盛り上げることを想定したものがほとんどと思う。
あの時代、盛岡まで9時間くらいかかる寝台列車「ゆうづる」に乗れたことは、いまとなってはよい思い出だ。