かつて「大戸屋」といえば、安さと量だった

 去年くらいだっただろうか、大戸屋は価格が普通の店のようになってきたとの話を耳にした。そのときは半信半疑だった。学生のころ、高田馬場の大戸屋は、慣れている人に連れていってもらわないと雰囲気に飲まれそうなほど「定食屋」だった。
 わたしの知人(お嬢)は、フライの横のキャベツに「マヨネーズありますか」と店員に声をかけ、ないと言われていたような気がする。わたしはマヨネーズがないという返事よりも、この雰囲気で(どう考えてもマヨネーズがなさそうな店で)堂々と「ありますか」と言えたS嬢を尊敬したものだった。

 価格は、当時周辺の店で食べられた定食より平均して100円以上安く感じられ、量はたっぷりとしていた。

 先月だったか、吉祥寺の飲食店を調べていて駅すぐの建物に大戸屋があったことを思い出し、メニューを見てみた。価格は普通の店のようであり、ヘルシー路線(サラダ類)で女性客の取りこみを狙っている。しかもお子様メニューや、店舗によってはエスプレッソまで。ううむ…時代は変わるものだ。

 だが、どうなのだろう。何十年もつづくだけあって代替わりがあったのだろうとは思うが、何か深刻な事情(破産しかけたとか、スキャンダルを起こしたとか)がない状態でこれだけ方向転換をすると、昔からの客は離れる可能性が高い。それをいとわずに方向転換したのだろうか。なんとも不思議な店である。

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