オウム真理教の事件で、死刑が執行されずにいた死刑囚6名が、26日午前に刑を執行されたとネットのニュースで見た。
わたしは、原則として死刑制度に反対である。もっとも大きな理由は「冤罪がありうるから」だ。死刑の判断が間違っていたとしたら。再審請求も通らずに何年も過ごして、そのあげくに死刑が実行されてしまったら。それがたとえ100件に1件だろうと、あってはならないことだ。
和歌山のカレー事件から20年というが、犯人とされている林真須美死刑囚の裁判では、物的な証拠はなく、状況証拠のみで死刑判決が下ったという。ほんとうに、このままでいいのか。素人探偵が何十人で「犯人だ、いや犯人じゃない」と話し合っても仕方がないことであり、実際に林真須美死刑囚がおこなったことなのかどうか、わたしには知りようがないが、やはり「状況証拠のみで」人を死刑にしていいのかという問題は、大きい。これを是とすれば、今後にとって、危険な前例となりかねない。
では、判決にまったく間違いがなく、本人も死刑で死にたがっている場合であれば、死刑にしてもいいのか…わたしはそれも納得ができない。終身刑で、ずっと塀の外に出られない暮らしということでよいのではないかと思う。大罪を犯した人を、理由を正当なものと考えて(合法的に)殺すのであれば、それは相手の犯した大罪と大差のない、粗野で野蛮な行為とは、言えないだろうか。