そろそろ「万引き家族」の話を書いてよいだろうか

 カンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」。映画館に見に出かけたのが何週間か前なのだが、直後から「え?」という思いがあったものの、いつまでも上映中なので、ネタバレに通じるような話は書けないと自粛していた。

 だがいまだに、上映の館数は減っているものの、映画は公開されているらしい。

 もう待つのもどうかと思うので、少し書かせていただきたい。
 
 
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 以下、できるだけ曖昧に書くよう努力するが、ネタバレになることをご容赦いただきたい。
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 まとめて表現してしまえば、ストーリーのアラが目立ちすぎる。なかでもとくに以下の件。

 家のおばあさんである樹木希林が演じた役の説明をまったくしなかったのは、それだけでもあったらずいぶんマトモになっただろうにと思うと、残念で仕方ない。少なくともわたしは、それは描き甲斐のある内容にできたはずだと確信するが、なぜそこを省いたのか。

 それから、子供(男の子)の、終盤での立場はどうなのだろう。ほとんどラストで面会シーンがあったが、あれはまず無理だろう。言うなれば重大事件の加害者と被害者の関係となり、しかもその件に関しては未解決。子供本人がどうしても聞きたいことがあると要望した場合でも(実際に子供は呼ばれて出かけたので要望していない)、その面会の付き添いがあの人物では、おそらく許可はおりない。そもそも子供に関するあんな事件が、たった数年前のことだろうに、なぜ未解決のままでいられるのかも、不思議だ。

 なかには「細かいストーリーはどうでもいい、描きたかった全体像はうまく浮かび上がっているではないか」と、あの映画をご覧になってそう思う人もいらっしゃるだろう。だがわたしは、肩の力を抜いてざっくりと演出しつつ全体を見せるのと、かけるべき手間をかけずに全体を見せるのは、違うと思う。アラがありすぎた。それにつきる。

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