November 22, 2005

オートロック

わたしはあまりオートロック式の建物に縁がない。また、ごくたまにそういった建物にはいるときは、目的の部屋へインターホンで連絡し、開けてもらう。だが最近の犯罪では、インターホンなしの玄関で共通の暗証番号を入力して、堂々とはいっているケースがあるそうだ。

そうした建物では、番号は公共性の高い出入り業者(新聞配達や宅配便など)が知っていたり、入居者が知人らに教えておくものらしいのだが、先日の大阪での事件(姉妹が深夜に殺害され、室内が放火された)では、系列の複数マンションで同じ暗証番号を使っていると伝えられた。
(この件では、昨日の昼間にどこかのメディアで「複数」ではなく「何十棟」と見た記憶があるのだが、この半日くらいで関連の記事を検索しても、「複数の」という表現が多いようで、もしかすると訂正されたのかもしれない)

マンション業界のそうした事情に気づいて、同じ系列のマンションにばかり忍びこんで犯罪を重ねていた人もいるようだ。

今回の記事は伝聞や「ようだ」が多くて申し訳ないのだが、どうせほどなく消えてしまうニュース記事であることと、陰鬱な事件の内容を考えてあまり細かくリンクを張りたくない事情から、ご勘弁いただきたいと思う。

さて、オートロックの集合住宅にお住まいの方には申し訳ないのだが、きついことを書いてしまうと「なぜそれで誰も問題を感じてこなかったのだろうか」と思う。内部でご近所づきあいがあるのならいざしらず、一度内部にはいってしまった人間は「誰かの知り合いかもしれない」ということで見逃されてしまいがちだ。悪意の人がいったん内部にはいれば、無関係な一般の目がない分だけ、内部は無防備で根拠のない安全(への期待)だけがある。

オートロック式で安全性が高められる例があるとすれば、それは内部の人間関係がしっかりしている場合だけではないだろうか。そしてそれは現代および今後の社会では希有なものだといえるだろう。それが無理である以上、大切なのは技術ではなく個々人の警戒心だ。

わたしは東京に出てきてからずっと古い賃貸の集合住宅にしか住んだことがないが、家の鍵を開ける際は(外からでも中からでも)周囲を確認している。家にはいろうとして鍵を開けたら物陰から誰かがやってきて包丁を突きつけられる…といった事件は、どこで起こってもおかしくないご時世だと思っている。

Posted by mikimaru at 01:02 PM | コメント (4)