August 05, 2005

水ようかん売りのおばちゃん

人様のことを勝手におばちゃん呼ばわりするのは多少の抵抗があるが、これから書くことに関しては「ま〜、おばちゃんでいいか」という気分なので、タイトル部分については適当に読み流していただきたい。

場所ををズバリ書くと何か問題があるかもしれないので、新宿某所のデパ地下(近日中に別館の「食べ物写真」ほうに書くのでデパート名はそのときに知れるが、本日の段階ではぼかしておく)、おそらくは特設会場と思われる水ようかん売り場に、その女性販売員がいた。

いろいろな商品があって、半分くらいは税込み262円だったようだ。わたしと一緒に女性がもうひとり立ち止まった。おばちゃんはわたしたち両方に「これ4個だったら千円でいいよ」と言った。たちまちその女性が「え、ほんと、じゃあ4個買うわ」と――キヨスク並みの速度で話がまとまった。そしておばちゃんは4個を詰め終わると、客にこういった。「ごめんなさい、50円だけ(消費税)いただくわね」。すると、女性は苦笑しながら50円を払った。

わたしは水ようかんだけ4個を買うつもりなどなかったので話に乗らなかったし、そのサイズの水ようかんがいくらだったかも見ていなかった。だが、この話のオチがおわかりだろうか。
「その水ようかんは、262円だった」
――つまり、税抜き250円で4個買って1050円なら、バラで好きな数だけ買ったほうが消費税分が2円安くなったくらいなもので、そのお客さんはおばちゃんの計算が楽な4個をまんまと買わされてしまったのだ。

だが、話はここで終わらない。わたしはその女性が注文をして包んでもらっているあいだに自分の注文を決め、同じくキヨスク並みの速度で「水ようかん2個と、これこれを2個」と、おばちゃんに言った。

返ってきた言葉はこうだった。
「あら、お客さん計算したのね。それも千円でいいわ」そして"前のお客さんと同じように50円はもらうけれど"、といった目でわたしを見た。恥ずかしい話だがわたしは1個数百円程度の菓子を4個なら単価も合計額も考えないで財布を出す。言われたままに1050円で会計を済ませ、さっさと歩き出したわたしは、内心やられたと思った。もちろん、わたしが買った商品もすべて税抜き250円で、税込み262円だったということだろう。実質的には損をしていないが、四捨五入してあったバラの商品を4個と考えれば、記載単価より2円多く払った計算になる。

記載金額とまったく同じなのにおまけをしたようなふりをするおばちゃんならば、みんな笑って済ませられるだろうが、中には「2円高いじゃないか」と文句を言いにその場にもどる客もいるかもしれない。わたしはそこまではやらないが、おばちゃんはあれでトラブルがないのだろうか。誰にでもそれをやっていて「千円でいいわって言うとみんな飛びつくからばかみたい」と思っているのだとしたら、それはそれでけっこうむっとする。今日のところは、深く考えないようにしておこう。

Posted by mikimaru at 10:03 PM | コメント (0)