September 12, 2005

映画:セルラー

2004年のアメリカ映画。主演はキム・ベイシンガー。
公式サイト

のどかな朝の風景。女性(キム・ベイシンガー)は家の前で息子を見送り、室内にもどる。家政婦とのいつもの会話、室内にあふれる、やわらかな光――。その静けさが一転、あっさりともいえるほど豪快な突入シーンへ! おっとこのおにーちゃんはトランスポーターで主演のジェイスン・ステイサム(ちなみに映画は未見だが顔だけはしっかり覚えていた)ではないか! あれよというまに家政婦は殺害され、キム・ベイシンガー演じる「ジェシカ」は、山荘の2階に閉じこめられる。わけもわからず室内を見まわすジェシカのもとへ、でかいハンマーもどきを携えてもどってきたトランスポーターは、柱にかかっていた電話機めがけて勢いよくそれをたたきつけた――!

そう、これは、破壊されたその電話をなんとか修理し、1回だけ偶然にかかった相手を説得して自分と家族を救ってもらえるように頼みこむ女性の話なのだ。回線が切れてしまえば同じ相手にかけられる可能性はまずない。そもそももう1回通話できるかどうかすらわからない。そして、電話がつながった相手はビーチにいた青年だった。

痛快。引きこまれる展開というのはこういうことなのだと思う。脚本は「フォーン・ブース」(公衆電話に出てしまった男性コリン・ファレルが「電話を切ったら殺す」と脅され、電話ボックスから出られなくなる話)のラリー・コーエン。ジェシカを助けることになる青年ライアンはクリス・エヴァンスが演じている。ライアンの描写がすばらしい。最初は頼りなげで、まったくあてになりそうにないのだが、最後のほうは痛快でほれぼれするキャラクタに。

ジェシカの口紅がときどき塗り直ししたばかりのような点が気になったことと、ここには書けないがライアンが反撃を開始した際に「これはなぜできたのか」が、見終わって1日経ってもまだわからないという難点があったが(感想を書いているサイトやブログで誰も不思議がっていないので、きっとわたしが見落としたのだと思う)、かなりよい出来だった。

Posted by mikimaru at 06:20 PM | コメント (0)