September 07, 2004

映画:ミスティック・リバー

見ている途中は、ぐいぐい引っぱるストーリーだなと思っていたのだが、見終わってみると「救いがない」と思った。作り全体はすばらしいが「ストーリーに救いがない」のだ。ネタバレになるので書けないが、これではあんまりじゃないか。救ってくれよ、頼むから。

かつてアメリカ映画といえばラストに明るい展開が多かった。フランスの作家カトリーヌ・アルレーの(結末がストーリー的には救いがない)「わらの女」を、救いのあるエンディングに変更して映画化したのはアメリカだった(と思う)。原作を知る身としては、テレビで放映されていたショーン・コネリー主演のそれを見て、拍子抜けしたものだった……だが、あの結末をそのまま映画にできなかったのも、わからないではない。つらすぎる。

さて、この映画「ミスティック・リバー」。
悪人役やら迫力ある俳優さんたちがたくさん集結したせいで、中盤くらいまでには“ケビン・ベーコンがまともな人間に見えるようになった”のが、びっくり。悪役から個性的な設定まで、なんでもござれのケビン・ベーコンが、まじめでまともな警察官をやっている。いや、この映画では、別に彼の演じたキャラクタをとりたててまじめでまともに描いていない。周囲のアクの強い面々を見ていると、彼だけ善人ぽいのだ(苦笑)。おそるべしショーン・ペン。ローレンス・フィッシュバーンも、なかなか味があった。出演メンツの顔が濃すぎで、そういう意味でも、めったにない映画だと思う。

Posted by mikimaru at September 7, 2004 12:52 AM
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