April 26, 2005

尼崎市の電車脱線事故

昨日のいまごろ、テレビ各局で臨時の特集番組がはじまった時間帯、まだ死者は3名くらいの発表だった。電車の事故で、しかも朝の9時台では、お気の毒だが3名では済まされないだろうと思っていたが、今朝の段階では73名とある。たいへんな事件だ。被害を受けた方々には心からお見舞い申し上げます。

テレビでは昨日の段階から、「スピード出し過ぎ」や、運転士のこれまでの違反について意見を固めてしまっている。だがご本人は現在どうされているのか。昨日の段階では発見されていなかったと思うが、現段階でもまだかもしれない。ご本人が弁明できないあいだ、周囲の推論が噂となって突っ走ってしまうことには、もう少し慎重にならなければいけないと思う。

わたしは松本市の河野さんご一家を忘れることができない。河野さんご本人も数日のあいだ倒れ、奥様はいまだに回復が困難なまま病床にあり、長男もまた犯人扱いをされた。身近なところに犯人を求めようとあせった長野県警(7割)と、垂れ流された発表を鵜呑みに流した記者クラブ(2割)、そして無責任に噂を受けいれた一般市民(1割)くらいの比率で、全員の責任だと思っている。

その運転士以外に、同じくらい違反している人はいないのか。その運転士だけ特別にスピードを出していたのか、ほかの運転士も荒っぽいところがあるのではないか、そして、ぞくぞくとテレビで流れてくる被害者インタビューなどを通じて、噂が増幅されていることは、ほんとうにないのか?

最初の人が「AはBだそうです」、次の人が「BとCは同じです」と言ったら、いつのまにか「AはCなんだと誰かが断言した」という流れになって最初の人の耳にまた届く、すると最初の人は「わたしは断言はしていなかったけれど、やはり断言している人もいるんだ」と、自分の意見に確信をいだくという図式、これは一般の生活にもよくあることだ。こんなときだからこそ、もっと慎重にならないといけないと思う。

Posted by mikimaru at April 26, 2005 11:11 AM
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