December 16, 2005

映画:オープンウォーター

レンタルDVDで鑑賞。2003年のアメリカ映画。

シンプルでそのままの話なので、サイトによってはネタバレになってしまっている。よって今日はリンクを紹介しない。

いつも忙しい男女が、やっと休暇を取って海に出る。ダイバーたち約20人のグループで沖合に出るが、人数確認がいい加減な係員により、ふたりは海に取り残されてしまう。――潮に流され、数時間の漂流の末、体力の限界でふたりはそれぞれ眠りに落ちようとしていた。

ネタバレにならない程度の感想を一言:
見ているほうが凍えそうで、気持ちが暗くなってしまう。そしてアメリカ映画でこういうオチがありだとは思っていなかった。

Posted by mikimaru at 10:55 PM | コメント (0)

言葉足らず(?)にもほどがある

以前から何度か「不快な連載小説」ということで当ブログでも記事にした「愛の流刑地」。もうその件はどうでもいいのだが(*1 - 最下部 -)、作者の渡辺淳一がブログを始めたということで、この作家本人に関して新たな話題がときどき耳にはいる。

先日は、指定券もグリーン券も持っていないのだから当然なのだが、新幹線の自由席に移動するように言ったJRの車掌をたしなめたという体験を堂々と書いた(チケットがなければ正当性はみじんもないはずなのだが、なぜ書けるのだろう)。その記事は現在トップページからはずれているが、記事としては残っている。

そして今回はなんと、人の命にかかわる乳ガンという問題で、何度読んでもわけがわからない奇怪な文章を載せているらしい。アクセスが増えると「ファンが来た」と勘違いされてしまうのも悔しいので、できるだけ見に行かないようにしていたのだが、それほど重い話題でまさか不用意なことをすまいと、今回も誘惑に負けてしまいチェックに出かけた。

渡辺淳一オフィシャルブログ 12月13日

記事そのものは短いので、ぜひ上記リンクからご自身の目でお確かめを。意味がわからないのは、GEヘルスケア エッセイ大賞で、大賞を受賞されたエッセイについてのコメント後半。

 その一つ、乳癌検診に有力なマンモグラフィによる検査で、男性技師に触診される辛さ。女性の心を理解した愛情ある診断と治療への希望は当然で、早急な改善が望まれる。現在、乳癌の発症率は女性の二十三人に一人とか。年々増えているというが、それは早期発見の方法が進んだからではないか。それが高じて、「やたら発見、やたら手術」についても、一考するべきだろう。

受賞作も長くはないので、目を通させていただいた。マンモグラフィはとても痛みがある検査方法とのことで、要約すれば、"それほどの苦痛を体験しても何でもないとわかった女性たちがときどき軽く話の種にして笑うことがあるが、それではますます検査率が下がってしまう――どうか真剣に考えて、検査を受けてほしい"という思いがつづられている。

その作品を選んだ審査員として、この文章の最後の"「やたら発見、やたら手術」についても、一考するべきだろう"は、どこから出てくるのか。好意的に解釈して、マンモグラフィ以外に心身の負担が軽減された早期の検査方法があるべきという考えならば、「やたら手術」だけでよさそうだ。いや、この点も問題かもしれない。「やたら手術」ではなく「やたら全摘出の手術」なら少し意味が通じる。「検査で早期発見をしていれば、やたら全摘出の手術をすることはなくなる」という意味になるか。。。それにしてもこれは「やたら発見」が付いていない場合だ。現実として付いているので、やはりこれは、意味が通らない。

この件、作家としてうんぬんよりも、審査員として参加したエッセイ大賞と受賞作に迷惑をかけないためにも、きちんと加筆または説明されたほうがよいように思うが、いかがだろうか。

(*1)
映画化ということで主演に役所広司を押さえたようだ。連載も終わっていないのに、どれほど「まとも」に変更するのか。映画はぜったいに見ないし、大幅改訂後に出版されるであろう作品も読まない。

現在のわたしは、以前にARTIFACT :欲しいのは「陰口でつながる自由で読んだ表現

不倒城: 人は何故、「読むと不快になる文章」をわざわざ読みたがるのか。
 古い話題を発掘。
 この記事に対して「不快になる文章を読んで、それに対する悪口を他人と一緒に語りたいからでは」と分析している人がいて、あーそうだよなあと思ってました。

に、「あーそうだよなあ」と同感したひとりであり、誰かと一緒に「ばかみたい」と思っていたい心境だ。わたしは「にっけいしんぶん新聞」の記事とコメント欄で「おかしいと思っている人がほかにたくさんいる」と気づき、連載本文は頭にはいらないのだが(実際に読み忘れてしまうことも)バーチャルな仲間の集まるところという意識で、ブログのほうはこまめに読みに行っている。

Posted by mikimaru at 08:40 AM | コメント (0)