誰でも人生において15分だけ有名になる瞬間がある。その皮肉さを扱った映画。やや詰めこみすぎという印象もあるが、おもしろいと思う人はおもしろいかも。わたしはやや辛口。マスコミと犯罪の持ちつ持たれつは、ここまでくどく強調されなくてもいいかな、と。
ロバート・デニーロ演じる刑事は、一部で俗悪と言われている犯罪ワイドショーを通じて、知らぬ者はない有名人。有名というだけではなく中身もあり、マスコミを味方に付けて上手に世渡りをしている。東欧からやってきた二人組(ノリは軽薄だが頭はよい)が連続殺人をはじめた。犯罪の手法が放火や爆薬に関係あるため同行することになったエドワード・バーンズ演じる消防士(*1)とともに、捜査がはじまる。
(*1)訳は消防士だったが日本の消防とは権限が違うのだろう。銃も手錠も携帯していた。
まあ、いくらアメリカでも、あんなシーンを犯罪者本人の録画で持ちこまれたら、放送はしないと思うし、誇張はあると思うが、全体を通して考えると「ありそうな話」。制作者はもしかすると「これって皮肉でしょ」を言いたかったかもしれないが、この映画から数年、現実にも信じられない事件は数多く起きている。
メディアと犯罪については、お互いが影響し合ってしまうことはよく言われる。犯罪を犯すかもしれない人の前にカメラがあったら、カメラはそれを「記録している」ふりをして実は助長してしまう危険性がつねにある。約20年前だったと思うが豊田商事(とよたではなく、とよだしょうじ)の事件では、カメラの前で包丁を持った人間が窓をこじあけ、中にいた人間が殺害された。もっと古くは「ゆきゆきて、神軍」(ゆきゆきてしんぐん)などを検索されるとよいかもしれない。
Posted by mikimaru at January 26, 2006 09:45 AM日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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