August 04, 2005

楽天市場とクレジットカードの話

楽天市場に参加している店舗で情報流出があったことは周知の事実だが、その影響がじわじわと、一般買い物客にもでてきた。一部の店舗がクレジットカードの取り扱いを停止し始めている。これは(すべての店舗がこういう理由ではないだろうが)、ひとつに楽天市場の急なシステム変更がある。今後、店舗が独自にクレジットカード会社と契約するのではなく、すべて楽天のシステムを通すことになるのだ。実店舗優先でオンライン店舗には最小限の人数しかない企業、小さな店などは、急なシステム変更に対応する時間と人的余裕がなく、そのためしばらくのあいだはクレジットカードが扱えないと利用者に連絡している。全体の何割かはわからないが、わたしは何通かそうしたメールを受けとった。ある四国のお店はズバリと「ほかに選択肢がないので」と書いていたし、かなり急であり、かつ強制力を持つ決定であったことがうかがえる。

参考リンク:楽天市場から、情報漏洩に関するお知らせ
http://www.rakuten.co.jp/com/faq/information/20050723.html

さて、これまでも楽天市場は、出店者にやや厳しい条件をつけていることで知られていた。
たとえば、楽天市場のシステムから出すメルマガに自社サイトや楽天以外へのリンクを書かない(つまり、楽天のお客を自社サイトへ誘導しようとしても、メルマガにURLは書けない)などだ。出店者には不便でつらいことだっただろう。だがそれを逆手にとって楽天以外のメールマガジンに勝手に登録してしまう店があったことも事実で、客にしてみれば楽天市場が厳しいかどうかは一概に言えなかった(注1)。――まあ、そういった不愉快な店はかなり限られるので、ほとんどは気持ちよく対応してくれる店であることは、念のために書いておく。

今回は「客のメールアドレス」と「クレジットカード」の両方が店舗側には流れず楽天市場の管轄になるとのことだが、責任の所在がはっきりしやすくなるというメリットは、ある。ようするに「次に何かあったら店舗ではなく楽天側の責任」と言えるわけだ。だが、カードが使えない店舗が増えるということは、買い物客の立場としては、かなり気が重い。代引きや振り込みの手数料を持つのは店か客か、後払いか前払いか、のちのち商品代にはね返るのでは、などなど。カードの手数料も負担する店舗側にしてみればばかにはならないが、カードに関しては「客に払わせてはいけない」という決まりがクレジットカード業界にあるようなので、客が負担させられることはまずない。だがそれ以外の手数料については、客が負担する場合もある。

そして、大事な点がもうひとつある。今回の騒ぎでは「責任は出店者側か、楽天か」の決着もじゅうぶんではないうちに、店舗側への規制だけ一歩早く進んでしまった感が否めないのだ。この点を少し不安に思う。今後もこの件は気を付けて状況を見守っていきたい。

注1)
今年の2月ころの例をあげれば:某健康食品の会社は、楽天市場を経由して一度だけ買い物をしたわたしのメールアドレスを自社のメルマガに登録し、解除したければその会社にアクセスして解除してくれと明記して頻繁にメールを送りつけてきた。そういうこと(自社のメルマガに勝手に登録する)は楽天市場で認められているのかと、わたしは楽天市場に確認のメールを入れたが、その店は楽天に対して「お問い合わせメールなどをいただいた際に、うっかりメールマガジンに登録してしまったようで」とぷんぷん匂う釈明をし、楽天はわたしにやんわりと「個人情報の方針は各店舗に問い合わせて」と連絡してきた。楽天の側から店に依頼したため、わたしにメルマガがやってくることはその後なくなったものの、ダイレクトメール(郵政)や、一度などは「留守電」まで録音していただき、かなり気持ち悪い思いをさせていただいた。。。重ねて書くが、ここまでずうずうしく不快な店は、滅多にないとは思う。

Posted by mikimaru at August 4, 2005 03:48 PM
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