August 27, 2006

ウェブサイト、いまむかし

何日か前にどこかで読んだのだが、インターネット上で「書かれている」言語の割合は、英語が34%、日本語がそれについで31%なのだとか(数字の細部に記憶違いがあるにしても、だいたいこんな感じだった)。

そういえば最近はめっきり減った「このサイトは日本語でのみ書かれています」の英訳表示 ―― for example, "This site is written in Japanese only".

つい何となくそう書いている人も多かっただろうし、わたし自身も使っていたかもしれないけれど、いまにして思うと意図がよくわからない。頭に sorry を付けるか付けないかといった話はときどき聞かれたが(悪いことをしているわけではないのにsorryをなぜ付けるのかの意)、メッセージ自体については、あまり深く考える機会がないまま現在に至る。

けっきょく何が言いたかったのか、自分がそう書いたことで読み手に何をしてほしかったのか、もはや思い出すことも想像することも困難だが……。おそらく英語や西洋の文字が主流のところに後発のアジア言語が割りこんでいってお目汚しでごめんね、うちは国際化していませんよという、挨拶と卑下まじりの言い訳ニュアンスだったのだろう。少なくともわたしはそうだったように推測する。

(注:わたし個人は、これから作成するページに関してはその表記を加える予定はないが、現在でも記載している、あるいはこれから書く人に対して何か含みをもっての発言ではないことを、お断りしておく)

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これと並んで、最近ちょっと思い出したことに、ブラウザの表記がある。もっとも無難で一般的な部分は
「このサイトは○○(←ブラウザ名)で動作確認しています」
なのだが、サイトによってはこの前後にやや過激ともとれる文章が加わる。

バリエーションとしては(上から無難と思われる順)
1. 「それ以外のブラウザで不具合があったらお知らせいただければ幸いです」
2. 「それ以外のブラウザでは作者の意図しない表示となる場合があります」
3. 警告を出し「○○(←ブラウザ名)のダウンロードはこちらです」とリンク紹介
4. 「○○(←ブラウザ名)でご覧ください」(ブラウザ名で判断して、中を見せない)
などがある。

よく見かけるのは2.だろうか。対応できないため正直に2.と書いておいても、気持ちとしては1.なのであれば、書いておかない方が無難かもしれない。

4.の「中を見せない」などは、ソネットなど大手企業サイトでも行われてきたことだが、企業間の利害関係のような、何らかの大きな意図を感じてしまう。指定ブラウザのふりをして(エージェント名を変更して)中を見るとほかのブラウザでも問題がないことが多いので、なおさらそう感じてしまうのかもしれない。

これについても、以前はIEが嫌いなあまりにモジラ系ブラウザを宣伝してきたわたしだが、何も書かなくていいのではないかという思いに傾いている。みんながそれぞれ「多くの人に差し障りのないタグを使う」という考えに落ち着けば、自然とそうなるだろう。


ただ、意図してIE専用タグなどを使っている人が、IEの人になら自分と同じようにきれいに見えているはずだからと、「IEで見てください」と書く(もしくは何も書かずにIE専用タグを多用する)のは、また少し性格が違う話になるかもしれない。

以前はそういう表現を見るたびにムッとしていたが、最近は「それ以外のブラウザの人が不具合を起こさない程度なら、いいのかな」と、思っている。たとえばテーブルのボーダーに色を付けるタグなどは、対応していないブラウザの人が普通の色なしテーブルに見えるという前提で「かまわない」と思えるし、ルビを付けるタグは未対応のブラウザで不具合がないという前提に「いいんじゃないの」と。

(ただし、わたしは「テーブルに色を付ける」こと自体に価値をまったく感じないし、ルビを振るタグも必要とは思わない…画像で示すなり、ルビ部分を上の行で書くなり、代案はいくらでもある)

IEのシェアも多少は崩れてきたようだし、これからもっと多くの人が、みんなにわかる問題ないタグを使おうと心がければ、意識が高まっていくはずだ。

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で、やっと本題にはいるのだが:

増えてしまって対応に困るのが、(本人に悪気はないのに結果として)迷惑になる人たちだ。
以前なら「機種依存文字ですよ」と伝えれば、それは何だろうと耳を傾け、検索してでも学んでくれる人がいた。だから面倒でもいちいち「ローマ数字や○数字は機種依存文字だから、使わないで」とお願いしてきたが、もうそんなことは言っていられない。

UTF-8で書かれたサイトや、UTF-8による提供サービスが増えてきたことで、問題が少し変化してきたのだ。

実際問題として、UTF-8でのサービスなら、それらの文字が堂々と通用してしまう。すると注意をする人が減る。一般の利用者がいちいち文字コードなどを確認しているはずはないから、euc-jpのサイトだろうとどこだろうと、かつては機種依存文字と呼ばれて注意を促されていたものが垂れ流しになる。推測だが、どうやらWindowsの人はそれでも見えているらしい。Macのわたしではそれは無理で、目にするたびに「ここはeuc-jpなんだから、○数字を使うなよ」とか、「ローマ数字はやめてくれ」と、心の中で叫んでいる。


いまは年甲斐もなくムッとしてしまうのだが、これも何年かすれば状況が変わるか、あるいはわたしのほうが慣れていくのか…。もっとありそうなことは「そのうち世の中がUTF-8のサイトだらけになるから、現状維持でよい」という流れかもしれない。


ところで、半角カタカナは、どういう理由で実質的な市民権を得ているのだろう。かくいうわたしも、もう面倒なので注意することはやめて久しい。ケータイサイトなどの影響もあり、もはや以前のような啓蒙活動などでは、おさえきれなくなっているのが実際のところだろうか。

Posted by mikimaru at August 27, 2006 07:58 PM
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