May 25, 2005

奈美悦子さんの病気克服記事で

期間は短いといっても皮膚科医とうんざりするほどつきあっている人間としては、目を引かれる記事があった。
奈美悦子さんが病気克服、病院の人気で街も潤う…秋田 (読売新聞)
身も蓋もない要約をしてしまうと:
去年の1月に掌蹠膿疱症とそれによる体の痛みでたいへん苦労された女優の奈美悦子さんが、最近は快方に向かい、彼女が診察を受けた秋田県由利本荘市の本荘第一病院の前橋医師が大きく注目されて地元が潤っているという記事だ。

記事からの引用:

◆掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)=手のひらや足の裏に小さな赤い水ぶくれができ、痛みやかゆみが出る病気。悪化と改善を長年繰り返すことが多い。関節炎などを起こすこともある。原因は不明だが、免疫の異常が関与しているとみられ、アレルギーが悪化の要因の一つと言われる。

いくつかの関連記事に目を通したつもりだが、ビタミンB群の一種であるビオチンの摂取と、生活習慣の改善で奈美さんは快方に向かったとしているものが多かった。上記の読売新聞記事では、金沢大皮膚科の竹原和彦教授のコメントとして、「副腎皮質ホルモン(ステロイド)軟膏(なんこう)による治療が一般的で、ビタミン投与は医学的根拠に基づいたものとは言えない。治療が難しいケースが多いが、無治療でも自然に改善する場合もある」と載せているので、この件に関してのわたしの理解は間違っていないのだろう。

だが、ちょっと待ってみよう。

ビタミンであるなら、処方箋は要らないはずだ。生活習慣の改善なら、奈美さんやほかの患者たちが秋田まで出かけて1時間も乗り合いタクシーを利用せずとも、書籍を通じて、もしくはいろいろな分野の専門家にアドバイスを受ければ、ある程度までは実現できるだろう。つまり、奈美さんが秋田の前橋医師から薬を送ってもらう必要はない。ビタミンなら「そこらへんで買える」のだから。

結論づけるなら、奈美さんの件は「ほかにも'医薬品'を利用した診療」であったはずだ。

病気名や前橋医師の名前で検索した結果には、いくつか、ビタミン以外のことにも触れられているものがあったので(希釈したステロイド剤なども言及されていた)、今回の件は新聞記事をまとめる際の横着ではないかと勘ぐっている。

皮膚病に限らず、どの病院・どの医師からもビシッとした診断を下してもらえずに苦しんでいる人がいる。遠隔地の医師に頼りたくなる気持ちも、とてもよくわかる。その人たちに秋田へ行くなと言っているわけではもちろんない。だが今回の新聞記事のように肝心なところをはしょっているような、しかも「地元が潤う」などといった表現で軽くかたづけるような状況では、その人たちの苦しみや声が世間に受け止められているとは思いがたい。

とはいうものの、何かニュースにでもならないと病気や病名を知る人が増えないのも事実。見た目ではわからない障害や、誰からも理解されない病気というものも、世の中にはたくさんあるのだと、わたしは最近つくづく感じている。おもしろおかしくとりあげられるのはたまらない、だが知られないことはもっとつらい。

せめて、前橋医師と「ビタミン」というキーワードばかりが取り上げられすぎることがないようにと、やや複雑な思いで祈っている。

Posted by mikimaru at 10:03 PM | コメント (2)

新宿高島屋:フードパラダイス (5/25 - 5/30)

マーロウのプリンが目的で、新宿高島屋へ。エレベーターで10階の催事場に直行。
(プリンの画像はのちほどmikimarulog 食べ物写真へ掲載予定)

スイーツ、パン、野菜、卵、お総菜、お茶ほか飲み物など、ジャンルは広いが、やはりスイーツの扱いが大きい。辻口博啓ワールド(自由が丘のモンサンクレール、コンフィチュール・アッシュ、自由が丘ロールほか、関係する数店舗からの出品)、スペインのオリオール・バラゲ来日(日付は要確認)などが目玉。

パン好きな方には、神戸の「ビゴの店」、大阪の「玉出木村家」などもあった。(わたしは銀座の木村屋と勘違いして「なんで木村屋に行列が?」と考えこんでしまった)

午前11時〜12時くらいが比較的すいていて見て回りやすい。ほかの売り場に寄ってから12時ころまた立ち寄ったら、混雑しはじめていた。

Posted by mikimaru at 01:06 PM | コメント (0)