ストーリーをまったく知らず、出る役者がジェニファー・コネリーとベン・キングスレーだというだけで、なんとなく感動作なのかと思って借りてみた。
参考:goo映画:砂と霧の家
人にはそれぞれ家族や「家」にまつわる想い出、思い入れがある。気力をなくしていた女性が行政の不手際で家を失い、とりもどす努力をしているあいだに新しい住人が来てしまう。彼らには彼らの事情があり、間違いだったのならば退去しようというわけにはいかない。
ストーリーに派手さはないし、誰もが少しずつおかしいのだが常軌を逸しているほどではない。だが彼らのあいだで少しずつ歯車がずれ、やがてそれが大きな引き金を引いてしまう。――それぞれに同情できそうなすれすれのところで、よく考えると誰にも共感できない。じれったいような、実体のつかめない軽いいらだちを感じつつも、見終わってみるとちょっと悲しい映画。
だがこれは、少しでも描き方が違うとコメディになってしまうし、無理に感動大作のように描けばかなりチープさが出るストーリーだろう。綱渡りのようなぎりぎりの均衡をたもった作品かもしれない。
翌日にネイヴ・キャンベル主演の「バレエ・カンパニー」を見た。同じく派手さのないストーリーながら、バレエ団の人間模様をドキュメンタリーであるかのように淡々と描き、見て損はなかった。
Posted by mikimaru at June 17, 2005 02:03 PM日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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