June 25, 2006

篠田節子「絹の変容」

最近どうも小説を買ってしまう。読書の夏?

小説すばる新人賞受賞の作品。間違えて買ってしまってから「ぎゃぁ」と叫ばれても困るので前もって書いておくと、虫パニックの要素が多分にある。しかも虫と言っても跳ねるほうではなくゴロゴロのほう。
篠田節子「絹の変容」

かつて織物で知られた八王子。絹の時代は去ったとして家業は包帯づくりに切り替わっていたが、後を継いだ三十代の若社長は、あるとき虹のように美しい絹の存在を知る。それは山梨から嫁いできた祖母のものとわかるが、出身地はすでにダムに埋没し、その美しい絹について知る人はほとんどいなかった。

もう一度この絹を織ることができたら――。現実世界の包帯づくりよりも夢を追いたかった男は動き出す。そしてひたすら虫の研究をしたい女、商売でひと儲けしたい男の3人で、もどれない道へと足を踏み入れる。

そんなに美しい、レーザーディスクのように色を変化させる絹が、なぜ量産されずに忘れられていたか。そこには大きな問題があった。

まぁ、題材はけっこう気色悪い方面ではある。。。でもご飯が食べられなくなるほどの気持ち悪さではなく、短めであっさり仕立て。

Posted by mikimaru at June 25, 2006 05:26 PM
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