July 19, 2007

中国の昔話

岡本綺堂の中国怪奇小説集を読みはじめた。

中国の古書から日本人にもなじみ深い話を集めて訳した昭和初期の作品というが、(漢字や文字などの現代的な編集がなされていることは当然としても)まったく古さを感じさせず、違和感なく読める。作家として知られる方だが、翻訳の技術もすばらしかったのだと、改めて敬意を表する。

誰でも見聞きしたことのある掌篇が数多くおさめられていて、とても読みやすい。わたしの好きな倉橋由美子の怪奇掌篇、かつて読んだ夢枕獏の短編なども、原形としてはこういった中国の古い文献と深く結びついているし、そういった有名作家らを引き合いに出すまでもなく、日本の民話などにも大きな影響を及ぼしてきた。

大人になってからも楽しめる昔話だ。

Posted by mikimaru at July 19, 2007 11:54 PM
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