January 11, 2008

独居老人の困ったちゃん

以前の入院時にも、ひとり暮らしをしている老人で「ちょっとぼけちゃってるなぁ」という人がいた。家に帰ってもひとりであることに変わりないので、早く治して帰ろうという意気込みがなく、だらだらっと過ごしてしまいがちなのだろうか。。。周囲によほど迷惑をかけなければそのまま退院を待つが、ときとして頻繁に部屋替えさせられる人もいた。

同居家族どころか誰も見舞いに来ないので独居なのだと推測するしかないのだが、今回の入院でもまたすごい人と同室になっている。部屋に一緒にいるだけでつらくて、こうして半日帰宅ができるだけで幸せに思えるほど、精神的にかなりしんどい。

年末年始に周囲のベッドには見舞客がにぎやかだったが、その人のところには誰も来ない。この2週間で2回くらい客が来たが、近い家族や親戚ではなさそうだった。寂しくて、周囲からバカにされているとでも思ってしまうのか、被害妄想のようなことを大声でひとりで話しはじめる。隣のベッドの人だけはその人を相手にしてあげることがあるのだが、その人や看護師さんたちと話す以外の時間に、ひとりでぼーっとしていると、いつのまにか悪口をわめきだす「崩壊した蛇口」状態なんだな、これが。

本来の病気のほうもつらいのだろうが、年明けくらいから、そちらの精神的な症状が少し進んでしまったようなのだ。

最初にひとりで大声を出しはじめたとき、同室にいる人間に向かって具体的な文句を言っているのかと思い、看護師さんに相談したのだが「思っていることが口から出ることがある人です」と言われた程度だった。具体的に何か対処ができるわけではないが、空き部屋でもあるのならどうにかしてやりたいところだ、と。。。我慢するしかなかった。

ところがそれから少しずつ、程度がひどくなってきている。

昼間だろうと夜中だろうと、「バカおんながうるさい、ヤクザおんなが、まったくなんだってんだよ」とわめいている。言っている内容は、最初の数日はわたしや周囲の人と関係があったので「同室の人たちのことをぜんぶごちゃまぜにして、文句を言っているんだな。変な人だな、やだな…」と思ったのだが、昨日あたりからは回数も頻度も内容も、とても正気とは思えない。いや、そもそも正気じゃないんだろうけれど。

ああいう人、ひとり部屋などに変更したら、たちまち(精神面で)悪化するのだろうけれど、周囲に与える影響を思うと、すぐにでも移動してもらいたいものだ。みんな体のどこかがつらくて入院しているんだから、精神的にまで追いつめられる理由はない。病院側だってその人にお金があったら個室移動なども考えるかもしれないが、どうなんだろう。おそらく苦情を言ったのはひとりふたりじゃないだろうから、困っているとは思うけれど。

わたしはあと1週間以内に退院の予定なので、ヘタに騒いでその人に何かされたり病院側とトラブルになったりしたくないし、耳栓やイヤホンをして耐える予定。

じっと耐える。。。

Posted by mikimaru at January 11, 2008 02:08 PM
コメント

一週間以内に退院の予定との事、ほんとに
良かったですね。
同室のお年寄りのお話を拝見して、一昨年逝ってしまった母を見舞った時の事を思い出しました。その同室のお年寄りのようなお方は
珍しいと言うよりも、そのようなお方で溢れていると言った方が当を得ているくらいでした。

高齢化社会の日本です。あちこちで、同じようなお年寄りが今日も明日も同じ日々を送っておられるのだろうと思います。
きっと周囲に迷惑を掛けているとさえ自覚できてないのでしょうね。

お年寄りを見る度、誰もが通らないでは済まない道かと思うと、考えさせられ、複雑な思いの見舞いの日々であったのを思い出しました。
寂しいお年寄りを出来るだけ出したくないものですね。

Posted by: ミッチー at January 12, 2008 03:20 PM

ミッチーさん、まずはお母様の件、お悔やみを申し上げます。

このあいだ大阪で、困った入院患者を公園に置き去りにした事件がありましたよね。。。大部屋なのにほかの人がはいると嫌がらせをして個室状態にしてしまったり、料金を滞納したり。。。あのとき「いくら何でも、健康状態が実際に悪い人を置き去りにするなんて」と思ったんですが、困った患者というのは一般人が想像するより現場でははるかに多いのだろうなと、今回しみじみ思いました。

今回のお年寄り、昨日かなり状態がひどくて、いろいろな人の耳にこの件が伝わった模様です。本人も自分に分がないことをうすうす感じとったようで、この半日ほど静かですが。。。どうなることやら。

Posted by: mikimaru at January 13, 2008 01:00 PM

ちぇりさん、母の事お悔やみ下さり有り難うございます。 毎日遺影に語りかけていますが、
何時も見守っていてくれるような気がしています。親って、有り難いものですね。

Posted by: ミッチー at January 13, 2008 10:49 PM