ひさびさに宮部みゆきを読んだ。やはり、本屋に実際に出かけて目の前に積まれていると、手が伸びてしまう。ここが通販とは違うところだな。通販だと「こういうジャンルの本がいま欲しい」という目的で検索していくので、好感を持っている作家の作品には、不思議と目が行かない。
死の淵をさまよった経験からか、主人公の少女おりんには、自分たち親子が越してきたばかりの家に亡者たちを見る力が備わっていた。亡者らはそこに暮らしていた。本人らにも理由などの詳細はわからない。何を気にかけてこの世に残っているのかを知らず、成仏したいのかどうかもわからず、ただそこに暮らしている。
簡単に書けば、これはけなげで芯が強く明るいおりんが、亡者らや現世の人々のかかえる苦悩や事情に筋道をつけ、渡りやすい橋をかけてあげるおとぎ話だ。下巻の中程でちょっとひきそうになったが(←あまりに修羅場がすぎてビジュアル的に滑稽すれすれ)、終盤の「あかんべえ」の子が出てくるあたり、なかなかよかった。
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