August 18, 2008

医者の苦労話

今日、たまたま診察のあいまに、医師が内線で愚痴を言っているのが耳にはいってしまった。

低血圧だと思いこんでいる患者が、以前から処方されていた薬を「もう要らないでしょう」といくら言っても納得しないで、要求してくるのだそうだ。そこで医師は量をどんどん減らしていって、気休め程度の分量までどうにかこぎ着けたのだが、たまたまその薬がいま在庫しておらず、薬剤師さんが「急ぐのか」と聞いてきたらしい。

「これこれこういうわけなんだよ。似ていて、もっと弱い成分のやつがあったら、処方箋をそれにしたいんだけど、何かない?」

――こうして、薬剤師さんと相談の上、さらに気休め度アップの薬が少量処方されることになったらしい。ご苦労様です。。。

その患者さんは、たまたまわたしが今日(あとから思えばその人だったという程度の認識だが)、待合室で「なんでこんなに不安がって大きな声を出すんだろう、ぜんぜんたいしたことじゃないのになぁ」と、思って見ていた人だった。すごく不安な声を出すのだが、ご家族が付き添っていたところを見ると、精神的にかなりまいっているのかもしれない。たしかに、そんなに不安がる人に、「もう必要ない」と、薬をすべてとりはらってしまうわけにもいかないのだろう。かといって体に悪影響が出るほどの量は出せないし、医師としてもつらいのだろうな。

その患者さんとは、その後に薬の受けとり窓口でも一緒になった。以前なら「こんなことですぐわめいて、はた迷惑な人だなぁ」と思ったかもしれないけれど、最近そういう人のことを少し余裕を持った目で見ている自分がいる。。。不安なんだな、きっと。

Posted by mikimaru at 11:58 PM | コメント (0)