July 26, 2008

警察発表の「むしゃくしゃ」

わたしが想像するに、何かの容疑で警察の取り調べを受けて、実際に「むしゃくしゃしました」と告げる人はほとんどいないのではないだろうか。おそらく「○○なことがあって悔しかった」とか「△△なことでイライラして」など、その人なりの表現があるわけだが、警察がいちいち相手の言うことをそのまま伝えるはずはないから、フィルターを通したあとの表現が「むしゃくしゃ」になるのではないかと。

ぎゃふんと言わせてやるという表現はあってもぎゃふんと言う人はいないように、型にはまった表現「むしゃくしゃ」。発せられたさまざまな言葉はおおざっぱに分類され、そこに行き着く。

ひとつの言葉に押しこめられて発表されたとたん、元の言葉にあった意味合いはすべて消え失せ、受けとる側には薄っぺらい「むしゃくしゃ」しか届かない。

裁判員制度も始まるというが、近年になっても減らない警察不祥事や強引な取り調べ、可視化にはほど遠い現状には大きな不安がある。取り調べの可視化ももちろん大事だが、警察そのものをガラス張りにして人の目につきやすいようにする方法はないのだろうか。

まずは録画が無理なら録音だけでも、いっさい編集なしですべて記録という方式にしたらどうだろう。本人に認められている権利を毎回すべて読み聞かせて、相手(取り調べを受ける側)がそれを納得してからでないと取り調べは開始されないなどのシステムを確立し、それを録音や第三者立ち会いなどにより確認していくことが必要ではないだろうか。

最近の冤罪(の疑いがある事件)報道には、ほんとうに恐ろしさを感じる。

Posted by mikimaru at July 26, 2008 11:12 PM
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