June 04, 2008

ヘレン・ミレン「第一容疑者」シリーズ

とりあえず、日本でDVDで発売されているものはすべて見たことになると思うが、ヘレン・ミレン主演のテレビシリーズ「第一容疑者」8作目を見た。

第一作からかなりの年数が経っているが、どこに行っても周囲に理解されない「やり手おばさん」が、いつしか部下に慕われてチームの力を発揮していく展開は変わりがない。飛ばされたりもどってきたり、また関係ない場所に行ったりといった事情もあり、シリーズを通じた共演者というのはほとんどいないが、安心して見ていられる。

ただ、聖人君子でもないし、ドジも踏むし、イライラしてばかりのこともある。職業モラルとしてそれはどうなんだというシーンも目立つし、「オトコ」がらみのことでは熟年にあるまじき思慮のなさ。ときとしてため息が出てしまう。。。

8作目は、それまでとは違う重さがあった。それまでもイギリス国内の貧民街や差別、いろいろな重いテーマを扱ってきたが、今回は戦争犯罪だ。殺害事件の有力容疑者は戦争犯罪人でもあったらしい、だがその人物の調査をしようとすると上層部からの圧力(という表現では軽すぎる)が重くのしかかる。突破口はあるのか? 戦争犯罪の調査とは別に、彼がイギリス国内で犯罪を犯したという動かない証拠があるかないか、その1点がポイントとなる。

いったんは圧力に屈しかけた主人公が、持ち前の根性で一発逆転。素晴らしい出来だった。

このシリーズは多少の当たりはずれがあるが、8作目はとくにわたしのイチオシだ。ただ、ストーリーとしてかなり重いとだけは、前もって断っておく。

IMDB - Internet Movie Database によれば、この先にもう1作あるようだ。日本でDVDになるとよいのだが。

Posted by mikimaru at 11:49 PM | コメント (0)