July 12, 2008

お供えを持ち帰るのは、問題なのか?

秋葉原の無差別殺傷事件の献花台にそなえられたペットボトルなどを持ち帰る人がいると、昨日の夕方のテレビで放送していた。とんでもないことだ、恥を知れといった論調だった。

事件はたいへん悲惨なもので、その現場に何かをお供えしたい人がいることは事実だろうが、あえて書こう。「お供えを持ち帰って、何がどう問題なのか?」

何か代表になるものがなければ、現場にいろいろな人がものを持ってきて収拾がつかないから、区が献花台を設置したことはもっともだろう。そして持ってきた人はお供えをして、それで気持ちは終わっていると思う。まさか持ってきたものの行く末がどうなるかまで具体的な期待をしている人はいないだろう。

では、花はどうなるか。ペットボトルはどうなるか? 区は目立たない方法でそれらを処理(廃棄)していくことになるのだろうと推測する。どう見ても未開封で安全であっても、お供え物でバザーを開くのは人の目というものがあるだろうし、職員が飲むわけにも、誰かにあげるわけにもいかないはずだ。お金をかけて廃棄するというのは、ほぼ間違いないことと思う。

ならば、喉が渇いて仕方ない人がいたら、持って帰ってもらっておおいにけっこうなのではないだろうか? 誰かが組織的に回収に来てよそに売り飛ばすのであればしゃくに障るが、個々人が1本や2本持って帰って、問題があるだろうか。

話のレベルは少しさがるかもしれないが、わたしの田舎では、お盆や彼岸などでお墓に供えられた新鮮な供物は、近所の子供たちが直後に回収に行って食べていたものだ。ほうっておけばカラスなどの生き物が汚く食い散らかす。人間の子供たちはさっさと出かけて持ち帰り、おいしくいただいたものだった。そのあたりの大人たちも、ごく一部を除いて同じ考えだったと思う。

お供えをした人の気持ちは、お供えをして、手を合わせて、帰る段階で終わっている。そのあとについてまで何かを言える立場の人がいるとしたら、それは片付けを担当する行政だろう。マスコミがとやかくいうことではないはずだ。

Posted by mikimaru at July 12, 2008 06:59 PM
コメント

子どもの頃は、仏壇のお下がりの果物を食べると、「ご先祖様の供養になるんだよ、えらいね」って祖母に褒められましたけどね。

献花やお供物を「仏様のお下がり」として、家に持ち帰って飾ったり、食したりすることも、供養の一環であるとの、お坊さんのお説教も聞いた事がありますよ。

最近は、置きっぱなしにしして、ただ枯らせてしまったり、腐らせてしまったりして、命を無駄にする方が多くて残念だとおっしゃってました。

献花台に手を合わせることもなく持ち帰るのはどうかと思いますが、追悼の気持ちがあれば、お下がりをいただくのはよい事だと思います。

Posted by: どん@雪 at July 12, 2008 11:41 PM

書いてみてから「難しい問題だなぁ」と改めて思っていたんですが、そうですよね、持ち帰る人にしてみたって、礼儀は必要です。

今回の問題まで改めて考えたこともなかったですが、お供え物の行方って、どうなっているのでしょうね。気になります。マスコミも持って帰る人のことを非難して終わらないで、突っこんだ部分まで調べて教えてほしいです。

Posted by: mikimaru at July 14, 2008 12:17 AM